妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

2021-01-01から1年間の記事一覧

これも間違いない

不吉なことは何も (創元推理文庫) 作者:フレドリック・ブラウン 東京創元社 Amazon 『真っ白な嘘』がとてもおもしろかったので、こちらの短編集も読んでみた。やっぱりおもしろいね。 どれもこれも意外なオチがあって、次はどんな展開だろうとワクワクしなが…

たしかにおもしろい

うたのしくみ 増補完全版 作者:細馬宏通 ぴあ Amazon どこかで薦められていたので読んでみた。 「うた」に関する様々な考察だ。これが意外におもしろかった。意外に、と言っては失礼かもしれないが、「うた」だけでここまでおもしろくなるとは思えなかったの…

本格ですね

凍える島 (創元推理文庫) 作者:近藤 史恵 東京創元社 Amazon 書店で薦められていたので読んでみた。 これ近藤史恵さんのデビュー作なんですね。知らなかった。 近藤史恵は『サクリファイス』などのロードレースのシリーズを読んでとても感動したのでこれも楽…

積ん読やっと読んだ

大黒屋光太夫(上) (新潮文庫) 作者:昭, 吉村 新潮社 Amazon もう何年積ん読してたかなぁ。 名前も知ってるし、ロシアに漂流したことも知ってるけど、他はほとんど知らない大黒屋光太夫。 吉村昭ならばおもしろいに違いないと読んでみたら、これがもうおも…

おもしろかった

目の見えない白鳥さんとアートを見にいく 作者:川内 有緒 集英社インターナショナル Amazon 「目の見えない人が美術鑑賞をする」というのは以前何かの本で読んだ気がするが、思い出せない。それがこの白鳥さんだったかもわからない。 目の見えない人がどうや…

名人芸だなぁ

思い出トランプ (新潮文庫) 作者:邦子, 向田 新潮社 Amazon まさに名人芸である。 印象深い短編が13編。どれも心の隅をキリキリと突いてくるような名編ばかりだ。 向田作品は『父の詫び状』を読んだくらいだが、そのエッセイと同じような印象を持った。唐突…

秀作かな

暗闇の囁き 〈新装改訂版〉 (講談社文庫) 作者:綾辻 行人 講談社 Amazon これも再読。内容ぜんぜん覚えてない。これもいつもの通り。今後再読だけでいけるんじゃないかと思うくらい覚えてない。 囁きシリーズでも『緋色』とは別物。記憶に関するミステリとい…

これ本当におもしろかった!

すばらしい人体――あなたの体をめぐる知的冒険 作者:山本 健人 ダイヤモンド社 Amazon 外科医の著者が人体の仕組みを解説する。と言ってもとてもやさしくおもしろく。 人体がいかに驚くべき仕組みか、すばらしい機能を備えているか、誰でもわかるように話して…

オーソドックスな本格ミステリ

奇面館の殺人(上) 館シリーズ (講談社文庫) 作者:綾辻行人 講談社 Amazon 館シリーズを最初から再読してきて、とうとうこれが最後。当時発売してすぐに読んだのを覚えてる。2012年だったみたい。ついこないだみたいだけど、内容はやっぱり忘れている。いや…

お見事!おもしろかった

真っ白な嘘 (創元推理文庫) 作者:フレドリック・ブラウン 東京創元社 Amazon すごく昔、おそらく中学生くらいの頃、星新一が薦めてたか何かでフレドリック・ブラウンを知った。『シカゴ・ブルース』を読んだが、今となってはおもしろかったのかどうか覚えて…

館シリーズ

びっくり館の殺人 館シリーズ (講談社文庫) 作者:綾辻行人 講談社 Amazon もちろんこれも再読です。そしてもちろん内容はすっかり忘れています。 講談社ミステリーランドの一冊として出たので子ども向けに書かれたものだが、作者は正統な館シリーズの一冊だ…

恐ろしい話だ

砂の女 (新潮文庫) 作者:公房, 安部 新潮社 Amazon ケムリ研究室の芝居を観たので原作のこちらも読んでみた。 かなり昔に読みかけたことがあって、確かおしまいまでたどり着けずに終わった気がする。 今回はストーリーもわかっていたのですんなり読めた。 ま…

すばらしい最高傑作

ソロモンの偽証: 第I部 事件 (上)(下)巻セット 新潮社 Amazon 全6巻の超大作。いつか読もうと思ってた。 これは本当にすごい。宮部みゆきの最高傑作なのは間違いない。 ストーリーがどう展開するんだろう、という面白さはもちろんのこと、すべてが心に重くの…

こっち系

緋色の囁き 〈新装改訂版〉 (講談社文庫) 作者:綾辻行人 講談社 Amazon はるか昔に読んだこの作品が新装改訂版になって出たので再読。 笑っちゃうくらい内容は覚えておらず。 映画『サスペリア』のオマージュらしいが、見たことないので雰囲気を想像するしか…

いやあおもしろかった

予言の島 (角川ホラー文庫) 作者:澤村伊智 KADOKAWA Amazon 僕が珍しくホラー作家で読み続けている澤村伊智。ストーリーがおもしろいからなんだけど。ホラーはまったく怖くないんでそういうのがないと読まないわけで。 当然そういう心構えで読み始めたら、こ…

お見事すぎて

本と鍵の季節 (集英社文庫) 作者:米澤穂信 集英社 Amazon 高校生コンビが日常の謎を解く連作短編集。 2人の会話が見事すぎてこんな高校生いるか!と思ってしまった。でもおもしろい。こんな会話できる2人だから超頭いいと思う。 だからここまでの推理ができ…

雰囲気のいい本

喫茶店で松本隆さんから聞いたこと 作者:山下 賢二 夏葉社 Amazon 松本隆の言葉を聞き書きしたリトルプレスのような本。 松本隆だからってうなるほどいいこと言ってるわけじゃないが、あのやさしい穏やかな口調から出てくる言葉はなるほどと思わせてくれるこ…

お腹いっぱい

暗黒館の殺人(一) (講談社文庫) 作者:綾辻行人 講談社 Amazon これも再読。 全4巻の大作。内容は案の定忘れている。 綾辻作品は物語の初めのうちは非常にゆっくりしたもったいぶった進み方で、イライラすると同時にワクワクもするという、実に困った特徴が…

騙された

チェーン・ポイズン (講談社文庫) 作者:本多 孝好 講談社 Amazon 新装版が出たが旧版で。 予備知識なしで読み始めたがぐんぐん読めた。あっという間に読み終わって、結果、騙された! これはすごい小説だ。 やはり気持ちよく騙されると楽しい。 ちょっとした…

圧倒される

手塚治虫とトキワ荘 (集英社文庫) 作者:中川右介 集英社 Amazon 手塚治虫の他、トキワ荘に住んでいた漫画家たちの評伝。 参考文献のページを見るとわかるが、すごい数の資料を読み込んでいるのがわかる。 ここまで詳細に時代を追っているのはすごいの一言。…

さすが本屋大賞

そして、バトンは渡された (文春文庫) 作者:瀬尾 まいこ 文藝春秋 Amazon 本屋大賞を取った本作。書店でやたら面出しして置かれているので、そこまで言うなら「ぜったいおもしろいんだな!?」と逆ギレ気味に読んでみた。 そしたら本当におもしろかった。す…

これまた感動

YMO1978-2043 (角川書店単行本) 作者:吉村 栄一 KADOKAWA Amazon YMOの結成からこれまでの歴史を事細かに綴った評伝。先に読んだ門間雄介著『細野晴臣と彼らの時代』のYMO部分だけを拡大して詳細に書いたような感じ。 もうこれだけで本当におもしろい。 そし…

何故か感動しちゃったよ

細野晴臣と彼らの時代 (文春e-book) 作者:門間 雄介 文藝春秋 Amazon 細野晴臣の評伝。 細切れに知っていた事実が一気につながるのは気持ちいい。 僕は世代的にYMOなんだけど、もちろんはっぴいえんども好きだし、最近の古いブギウギとかも大好き。 これを読…

最高におもしろかった

一瞬の夏(上) (新潮文庫) 作者:耕太郎, 沢木 新潮社 Amazon 積ん読のうちの1冊。 有名な作品であるのは知っていたが、これほど面白いとは思わなかった。 まさしく読むのをやめられない本とはこのことだ。 自ら「私ノンフィクション」と言ったらしく、調べ…

貴重な資料

ジョン・レノン&オノ・ヨーコ プレイボーイ・インタヴュー1980完全版 作者:デヴィッド・シェフ シンコーミュージック Amazon 死の直前に行われたジョンとヨーコのインタビュー。 プレイボーイ誌に載ったものの完全版らしい。 インタビュアーは本当に信頼され…

再読再読

霧越邸殺人事件(上)<完全改訂版> (角川文庫) 作者:綾辻 行人 KADOKAWA Amazon これも再読。出た当初に読んだからもう何十年ぶり。 綾辻行人の裏代表作と言われているらしい。 内容は例のごとくすっかり忘れていた。 リアル7割、超常現象(?)3割といっ…

これはすごい

罪の轍 作者:奥田英朗 新潮社 Amazon 「吉展ちゃん事件」をモデルにした犯罪小説。 奥田英朗だから間違いないと思ったが、これは読み応え抜群の超力作である。 作風もこれまでと少し違ったような感じで、重く心に響く。 もちろんこの作者だから読みやすさは…

いいんじゃない?

魔眼の匣の殺人 作者:今村 昌弘 発売日: 2019/02/20 メディア: 単行本 『屍人荘の殺人』で話題となった著者のシリーズ2作目。 前作があれだけ人気となったので、あれを超える2作目は難しいんじゃないかと思ったが、意外とおもしろかった。 クローズド・サー…

不穏な感じ

蛇行する川のほとり (集英社文庫) 作者:恩田陸 発売日: 2017/04/28 メディア: Kindle版 珍しく恩田陸なんて読んでみた。 高校生たちの夏の数日を描いた作品。といっても爽やかな青春ものではなく、ちょっと気味が悪い。 ずっと不穏な感じが続いて、少しミス…

考察がすごい

映画には「動機」がある 「最前線の映画」を読む Vol.2(インターナショナル新書) (集英社インターナショナル) 作者:町山智浩 発売日: 2020/08/28 メディア: Kindle版 著者の映画評論集。 映画の他に様々な本への言及がたくさんあって、どれだけ本を読…