2024-01-01から1年間の記事一覧
ワンルームから宇宙をのぞく 作者:久保勇貴 太田出版 Amazon JAXAの研究員が書くエッセイというから、面白そうと読んでみたら、期待していた内容とは違っていた。 こんな情緒的な描写が続く普通のエッセイとは思わなかった。 これだとこの人でなくてもよいエ…
殺人出産 (講談社文庫) 作者:村田沙耶香 講談社 Amazon 読むたびにこの人の頭はどうなっているのだと思う。 4編すべて近未来が舞台で、突拍子もない設定だ。 突拍子もないだけなら思いつくのかもしれないが、そこに登場人物の心の動きが事細かに書かれるため…
ぜんしゅの跫 比嘉姉妹シリーズ (角川ホラー文庫) 作者:澤村伊智 KADOKAWA Amazon 短編集。比嘉姉妹シリーズだけど、ものすごく間が空いて読んでるから比嘉姉妹の詳細を忘れている。だから作品としておもしろいかどうかで判断する。 特に「鬼のうみたりけれ…
でぃすぺる (文春e-book) 作者:今村 昌弘 文藝春秋 Amazon 「屍人荘の殺人」シリーズとは違う作品。 小学生3人が謎を解く。小学生がここまで複雑な謎を解くことができるのかという疑問もあるけど、まあそこはフィクションということで。 しかもこの展開は子…
袴田事件 神になるしかなかった男の58年 (文春新書) 作者:青柳 雄介 文藝春秋 Amazon 2024年9月に無罪判決が出た袴田事件の詳細を描くノンフィクション。 その判決前に出た本なので無罪判決には触れていない。 もうなんと言えばいいか言葉がない。 無罪が確…
カミサマはそういない (集英社文庫) 作者:深緑 野分 集英社 Amazon 『戦場のコックたち』が面白かったので期待して読んでみたら、これがまた全然違う作風だった。 終末期のどこかが舞台になっていて、なっていないのもあるが、なんというか椎名誠のSFを思い…
君のクイズ 作者:小川 哲 朝日新聞出版 Amazon すごい小説だ。 話題にはなっていたから読んでみたいとは思っていたが、こんな小説は初めて読んだ。 この作者の作品は直木賞を獲った『地図と拳』だけしか読んだことがないが、まったく違うジャンルだ。 よくこ…
梅雨物語 (角川書店単行本) 作者:貴志 祐介 KADOKAWA Amazon 中編が3編。どれも不思議な話だなぁ。 おもしろいかどうかで言えば微妙なんだけど、この人は力技で読ませるからな。 ホラーとも怪談ともミステリとも言い難い奇妙な話。 どういう狙いで書いたのか…
ハンバーガーとは何か? 歴史、調理技法、ビジネスから読み解くハンバーガーの“本当の姿” 作者:白根 智彦 グラフィック社 Amazon ハンバーガーについていろんなことが知れる本。 チェーン店のハンバーガーから個人店のグルメバーガーまで、その歴史や作り方…
ここじゃない世界に行きたかった (文春文庫) 作者:塩谷 舞 文藝春秋 Amazon ニューヨークに住むライターの著者のエッセイ。 アーティストの旦那さんと夫婦で移り住んで、そこでのあれこれ。 子供の頃からの話や、海外移住までの経緯などもあったり、最近の話…
食いしん坊のお悩み相談 作者:稲田 俊輔 リトル・モア Amazon エリックサウスの総料理長の著者が読者から寄せられた食に関する質問・相談に答えるエッセイ集。 ちょっと期待して読んだけど、質問はなかなかおもしろいのが多いけど、肝心の回答がまあ普通とい…
冬の日誌/内面からの報告書 (新潮文庫 オ 9-18) 作者:ポール・オースター 新潮社 Amazon ポール・オースターの自伝と言えるノンフィクション。 ポール・オースターは今まで何読んだっけかな。映画は見てるけど本は読んでなかった気がする。 いきなりこれを…
路上のセンス・オブ・ワンダーと遥かなるそこらへんの旅 作者:宮田 珠己 亜紀書房 Amazon 女性だと思ったら男性だった著者の近所の散歩エッセイ。 路上観察学会的な面白さがあるんじゃないかと期待して読んだけど、今ひとつ面白さが伝わってこないんだよな。…
われら闇より天を見る 作者:クリス ウィタカー 早川書房 Amazon 評判がよかった記憶があったので読んでみた。 なかなか読み応えがあった。 ミステリでもあり、少女の成長物語でもあり。主人公の少女はかなり辛い体験をする。 弟も悲しいなあ。これから二人と…
食べると死ぬ花 作者:芦花公園 新潮社 Amazon 怖いと聞いたホラーだが、それほど怖くなかった。 怖い怖くないではなく、奇妙な話の類ではないか。 キリスト教の話が絡まってきていて、まああんまりよくわからず。 変な話だ。こうなると別の作品に手を出しづ…
二人の嘘 (幻冬舎文庫) 作者:一雫ライオン 幻冬舎 Amazon あらすじを読んでおもしろそうと読んでみた。 最後の方まですごいワクワクおもしろく読んだのだが、最後の最後で「え、そう終わる?」となってしまった。 キャラクターもいいし、裁判官の日常がわか…
いっぺんさん (文春文庫 し 43-4) 作者:朱川 湊人 文藝春秋 Amazon この人の作品もぜったいにおもしろいとわかっている。 これも案の定おもしろかった。もうため息が出るほどよくできている短編集だ。 ホラーと言っては大げさかもしれない。どれもちょっと怖…
本の背骨が最後に残る 作者:斜線堂 有紀 光文社 Amazon なんという発想だ。 短編のすべてがどう展開するかわからない。 設定も読んだことのないものばかり。 ホラーということで紹介されてたけど、それを超える物語に驚いた。 確かに痛々しい描写も多々あり…
語学の天才まで1億光年(集英社インターナショナル) 作者:高野秀行 集英社 Amazon この人の本は絶対におもいろいとわかっているので内容も見ずに読んでみた。 そしたらマジでおもしろかった。 著者は世界の辺境へ探検するので、それに合わせて現地の言葉を…
きみはサイコロを振らない 作者:新名 智 KADOKAWA Amazon 「このホラーがすごい!2024年版」でベスト10にランクインしてたので読んでみた。 そしたらあんまりホラーではなかった。ていうかこれホラーに入れたらダメだよね。 呪いというキーワードで進んでい…
マイ修行映画 作者:みうらじゅん 文藝春秋 Amazon 映画のレビュー集だが、そう言っていいのか迷うくらいくだらない爆笑のコラム集だ。 だって有名なヒット映画もたまに取り上げられてはいるが、ほとんどがおバカ映画。 感想も「くだらな!」と思わず言ってし…
ファスト・カレッジ ~大学全入時代の需要と供給~(小学館新書) 作者:高部大問 小学館 Amazon 大学のダメなところを繰り返し繰り返しこれでもかと書き連ねた本。 著者は現役の大学職員らしいが、大学職員でなくても大学がこんな感じなのはわかると思う。 …
異常【アノマリー】 作者:エルヴェ ル テリエ 早川書房 Amazon 3ヶ月前に空港に到着した旅客機とまったく同じ飛行機が到着する。乗客もまったく同じという。つまり全乗客が2人ずつこの世に存在することになる。 確かに「異常」な事態で、これをどう展開する…
グレ-ト・ギャツビ- (村上春樹翻訳ライブラリー f- 2) 作者:スコット フィッツジェラルド 中央公論新社 Amazon 村上訳の「キャッチャー」を再読したので、ついでにこっちも再読してみた。 覚えていないもんだな。ギャツビーが夜な夜な派手にパーティをやって…
日本のピアニスト~その軌跡と現在地 (光文社新書) 作者:本間 ひろむ 光文社 Amazon 予想していた内容とちょっと違っていた。 日本でピアニストになっても食べていくのが難しい、といった一般的なピアニストという職業の現実を調査して教えてくれる内容だと…
しろいろの街の、その骨の体温の 作者:村田沙耶香 朝日新聞出版 Amazon なんと繊細で痛い物語なんだろうか。 息を詰めて一気に夢中で最後まで読み切った。 読んでる間中ずっと苦しい。主人公の結佳の苦しみがそのまま乗り移ったんだと思う。 これでもかと心…
翻訳夜話2 サリンジャー戦記 (文春新書) 作者:村上 春樹,柴田 元幸 文藝春秋 Amazon これも昔読んだような気がするけど、『キャッチャー』再読したんで読んでみた。 うーん、覚えてないなぁ。 ホールデンは神経症的なところは多々あるけど、精神病院に入院…
古くてあたらしい仕事(新潮文庫) 作者:島田潤一郎 新潮社 Amazon “ひとり出版社”の夏葉社の著者が書く、出版社を始めた理由から現在の仕事まで。 一人だからすべて自分でやらなくてはならないのはやっぱり大変そうだけど、自分のいいと思った本を作ってじ…
キャッチャ-・イン・ザ・ライ 作者:J.D. サリンジャー 白水社 Amazon かなり前に読んだこの本を再読。内容はしっかり忘れてた。 なんつうか、ホールデンくんは「世の中みんなくだらねぇ」と思いつつ、小心者だから何も思い切ったことができないんだよね。 言…
成瀬は信じた道をいく 「成瀬」シリーズ 作者:宮島未奈 新潮社 Amazon シリーズ第2弾。ってこれ以降続くかわからないけど、これだけ売れれば続くでしょ。 ストーリーがおもしろい、小中学生でも読みやすい、キャラが立っている、これだけ揃えばベストセラー…