お見事としか言いようがない

いっぺんさん (文春文庫 し 43-4)

この人の作品もぜったいにおもしろいとわかっている。

これも案の定おもしろかった。もうため息が出るほどよくできている短編集だ。

ホラーと言っては大げさかもしれない。どれもちょっと怖い話ばかり。

でも怖い以上に「こう来たか！」と思わせる展開に感心する。

最初の表題作で怖いけど泣けると感動して、ああこういう感じね、と思ってたら、次の話でどん底に落とされる。めちゃくちゃ怖いじゃないか！

これは本当におすすめできる。怖いだけじゃない小説を読みたければこれしかない。