妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

2023-01-01から1年間の記事一覧

やっぱりいい

にじんだ星をかぞえて (朝日文庫) 作者:上原 隆 朝日新聞出版 Amazon 再読。 読んだら処分することにしている僕でもこの人の作品は全部残してある。 ノンフィクション・コラム。 いろんな人に話を聞いてそれをそのまま書く。それだけ。 極力自分の感想や意見…

泣けてきた

子どものことを子どもにきく ――「うちの子」へのインタビュー 8年間の記録 (ちくま文庫 す-30-1) 作者:杉山 亮 筑摩書房 Amazon 書店で見かけておもしろそうだと読んでみたが、なんだか泣けてきてしょうがなかった。 小さい子どもは特におかしなことを喋る。…

リドル・ストーリー

謎の物語 (ちくま文庫) 筑摩書房 Amazon 道尾秀介の本に刺激されてリドル・ストーリーのアンソロジーを。 有名な「女か虎か」は知っていたがそれ以外は知らない話ばかり。特に「女か虎か」の続編は知らなかったなぁ。全然違う話だけど。 別の作家が書いた「…

予想よりもおもしろかった

移動祝祭日(新潮文庫) 作者:ヘミングウェイ 新潮社 Amazon 別にヘミングウェイに目覚めたわけではない。家にあったので読んだだけ。 でも『老人と海』よりはるかにおもしろかった。 パリで暮らした若い頃を綴った思い出みたいな感じだ。 ヘミングウェイが…

簡単なような難しいような

いけない (文春文庫) 作者:道尾 秀介 文藝春秋 Amazon ミステリ小説だけど答えが出てこない、いわゆるリドル・ストーリーという形式。 4章あって、連作だから繋がってるけどそれぞれに謎がある。タイトルをヒントに本文を読み、各章の最後に1枚の写真が載っ…

おもしろかった

グッドバイ (朝日文庫) 作者:朝井 まかて 朝日新聞出版 Amazon おもしろかった。 幕末の長崎の商人の女性・大浦慶の生涯を描いた歴史小説。 大浦慶は名前をおぼろげに知ってた程度だったが、こんなおもしろい生涯を送っていたのがわかってよかった。 女性が…

すごい作品だ

地球星人(新潮文庫) 作者:村田沙耶香 新潮社 Amazon 『コンビニ人間』がすごかったので適当に選んだのだが、輪をかけてすごかった。 自分を別の星から来たと思い込んでいる主人公。 背景にはつらい現実があって、目を背けたくなるほど。 『コンビニ人間』…

おもしろかった

リバース&リバース(新潮文庫) 作者:奥田亜希子 新潮社 Amazon これもよく知らない作家。書店であらすじを読んでおもしろそうと思って。 雑誌編集者と中学生の女の子が交互に出てくる。 本の佇まいが自分とはぜったい合わなそうな感じだけど、恋愛小説だっ…

まあまあかなぁ

君といた日の続き 作者:辻堂ゆめ 新潮社 Amazon 娘を亡くし、妻と離婚した主人公がある日出会った女の子。 「伏線回収」だの「時空を超えたミステリー」だのとオビにあったのでついつい読んでしまった。全然知らない著者。 よくありそうな設定ではあるが、た…

こんな話だったんだ

老人と海(新潮文庫) 作者:ヘミングウェイ 新潮社 Amazon 家にあったので読んでみた。多分一生読むことはないだろうと勝手に思ってたんだけど、この歳にして初読。 このくらい有名な作品になると、内容云々より「『老人と海』ってこういう話だったんだ!」…

ジョージ大好き

ジョージ・ハリスン インタヴューズ 作者:アシュリー・カーン シンコーミュージック Amazon ジョージのインタビュー集。 過去の雑誌、テレビ、ラジオ、ネットまであらゆるインタビューを集めてある。これがかなり面白い。 ビートルズのことを聞きたいインタ…

笑っちゃう

象の記憶 日本のポップ音楽で世界に衝撃を与えたプロデューサー 作者:川添象郎 DU BOOKS Amazon 川添象郎の自伝。 何というかもう笑ってしまうほどの経歴の持ち主だ。 本当に盛ってない?と疑うような話の数々。あらゆる有名人が怒涛のごとく出てくる。 この…

今これを読む

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫) 作者:村上春樹 文藝春秋 Amazon 今頃これを読んだ。村上春樹は全然読まないのだが、家にあったので。 イメージとしてはわけがわからない観念的なストーリーという先入観があった。でも読んでみたら普通…

執念

そして陰謀が教授を潰した ~青山学院春木教授事件 四十五年目の真実~ (小学館文庫) 作者:早瀬圭一 小学館 Amazon 大学受験で青山学院大学も受けたことがあるが、その時でもこんな事件は風化していたと思う。まったく知らなかった。 そして今に至るまで聞い…

高校野球

あの夏の正解(新潮文庫) 作者:早見和真 新潮社 Amazon 2020年夏、高校野球がコロナで中止になったとき、当の高校生(選手たち)や監督はどういう思いでいたのか。 星稜高校と済美高校という強豪二校に取材したドキュメンタリー。 特に3年生は甲子園という…

ファン向けかな

人間じゃない 〈完全版〉 (講談社文庫) 作者:綾辻行人 講談社 Amazon 単行本未収録の短編を集めた本。 なんかちょっと変則的な短編が多くて、ここから綾辻に入るのではなく、ファン向けのような感じだ。 内容もそこまでおもしろいわけでもない。 最後のやつ…

ほのぼのする

オーディオ小僧のアナログ放浪記 (CDジャーナルムック) 作者:牧野良幸 株式会社シーディージャーナル Amazon 趣味のアナログ(オーディオ)生活をエッセイと漫画で綴ったもの。 僕より結構年上みたいで本業は版画家らしい。だからアナログ盤を買ったりとかは…

なんだか胸が熱くなる

急に具合が悪くなる 作者:宮野真生子,磯野真穂 晶文社 Amazon 再読。 昔読んだ時は哲学者と人類学者の命をかけた言葉のやりとりに胸が熱くなった記憶があって、でも内容は難しくてあまり理解できない部分が多かった。 しばらく置いて再読したらどうかなと思…

『キャプテン』読み直そうかな

ちばあきおを憶えていますか 昭和と漫画と千葉家の物語 作者:千葉 一郎 集英社 Amazon 漫画家ちばあきおのご子息でちばあきおプロダクションの社長でもある著者が、様々な関係者に話を聞きつつちばあきおの人生を追う。 やはり息子が著者だからか、錚々たる…

いいね、おもしろかった

九尾の猫〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者:エラリイ クイーン 早川書房 Amazon もうちょっとエラリイ・クイーンを読んでみようと思って、これを選んだ。 確かにおもしろかった。 相変わらず翻訳の文章は苦手なんだけど、それさえ我慢すればこういう…

なかなかおもしろかった

韓国カルチャー 隣人の素顔と現在 (集英社新書) 作者:伊東順子 集英社 Amazon 韓国の独特な文化をドラマを通じて教えてくれる本書。 韓国ドラマには興味がないが、韓国の文化には興味があったので読んでみた。 日本だって外国から見たら「変わった国だなぁ」…

すごく大変な問題

アスリート盗撮 (ちくま新書) 作者:共同通信社運動部 筑摩書房 Amazon アスリートの盗撮問題を取材した共同通信社の記事とその取材経緯を綴った本。 アスリートの盗撮は何十年も前からあったらしいが、本人から声がなかなかあげられず、これまで問題として大…

安定の

殺しへのライン ホーソーン&ホロヴィッツ・シリーズ (創元推理文庫) 作者:アンソニー・ホロヴィッツ 東京創元社 Amazon このシリーズ3作め。 ある島が舞台になり、より本格っぽくなった。こういう始まり方はワクワクするなぁ。 安定のおもしろさ。 このコン…

なんじゃこれは?

破局 (河出文庫) 作者:遠野遥 河出書房新社 Amazon 芥川賞を取った作品。 主人公の考え方は一見常識的なんだけど、なんなんだろう、この不気味な印象は。何に対しても生きている人間という感じがしない。 青春小説のようでもあり、そんなに大きな出来事は起…

これもつらい

ある奴隷少女に起こった出来事 (新潮文庫) 作者:ジェイコブズ,ハリエット・アン 新潮社 Amazon 奴隷制度の時代に自分に起きたことを書いた、フィクションではなく、現実にあった話だ。 知識では知っていても奴隷だった少女が実際に書いたものを読むと、胸が…

つらい

コンジュジ (集英社文庫) 作者:木崎みつ子 集英社 Amazon これも知らない著者だったが書店であらすじを読んでおもしろそうだったので。 父親から性虐待を受けている子どもが、自己防衛のためにロックスターとの妄想世界に逃げ込む。 今や誰もが陥るかもしれ…

すばらしい

鯨の岬 (集英社文庫) 作者:河﨑 秋子 集英社 Amazon 全然知らない作家だが書店で見かけておもしろそうだったので。 中篇が2篇入っている。どちらもすばらしかった。 著者は北海道出身らしい。2編とも舞台は北海道。現代ものと時代もの。 淡々と進む話かと思…

難しくてモヤモヤする

ルポ 死刑 法務省がひた隠す極刑のリアル (幻冬舎新書) 作者:佐藤大介 幻冬舎 Amazon 死刑に賛成か反対か。法学部の学生だった30年以上前からどちらにも入ることができず、ずっとモヤモヤを抱えている。 この本は死刑がどのように行われているか、証言などを…

古典もいいね

フォックス家の殺人〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者:エラリイ クイーン 早川書房 Amazon ミステリの古典であるこんなのも読んでみた。 新訳で出てたので良い機会かなと思って。 やはり長く読まれ続けるのはそれなりに理由があるね。おもしろかった…

自分で店をやっていくって大変

新聞記者、本屋になる (光文社新書) 作者:落合 博 光文社 Amazon 新聞記者だった著者が書店を開く話。 この書店は一度行ったことがある。おしゃれだなあと思ったけれどたしか買わなかったと思う。 しかし、店を開くって大変だなぁと思った。58歳で始めるって…