妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

2023-01-01から1年間の記事一覧

初めて読んだ

父の声 (文春文庫) 作者:小杉 健治 文藝春秋 Amazon 名前は聞いたことがあったが初めて読んでみた。 調べたら結構なベテランだった。そういえば昔から書店で名前を見かけるもんな。 覚醒剤にかかわるミステリだ。 なかなかおもしろかったんだけど、話の展開…

なかなかおもしろかった

みどり町の怪人 (光文社文庫 あ 72-1) 作者:彩坂美月 光文社 Amazon これもまったく知らなかった著者だったが、なんとなくおもしろそうだったので読んでみた。 結果、当たりだった。とてもおもしろかった。 みどり町には「みどり町の怪人」が潜んでいて、女…

なるほど

一九八四年 (ハヤカワepi文庫) 作者:ジョージ・オーウェル,高橋 和久 早川書房 Amazon 死ぬまでに一度は読んでおこうシリーズ。 あらすじすらほぼ知らなかった。この歳で初読。 名作と言われているがおもしろいのか?こういう発想は今でこそ数多あるが、この…

なんかグッタリするな

さよなら、野口健(集英社インターナショナル) 作者:小林元喜 集英社 Amazon 野口健と栗城史多は昔から胡散臭いと感じていた。元マネージャーが書いたのならば野口健がどういう人間か少しでもわかるかなと思い読んでみた。 タイトルからして批判的な内容だ…

ワクワクするなあ

怪談小説という名の小説怪談 作者:澤村伊智 新潮社 Amazon ホラー短編集。でもホラーというよりやっぱり「怪談」の方が似合うような気がする。単なるイメージだけど。 タイトルはよくわからないけど、どの短編も「どうなるんだろう?」とワクワクが止められ…

こういうふうに仕事がしたい

恐竜まみれ―発掘現場は今日も命がけ―(新潮文庫) 作者:小林快次 新潮社 Amazon 恐竜研究者の著者が普段の仕事の様子などを書いてくれる、とても興味深い本。 当然発掘がメインになるのだろうとはわかっていたが、これは本当に大変だ。やっぱり好きじゃなき…

びっくり

真実はベッドの中に (双葉文庫) 作者:石持 浅海 双葉社 Amazon この作者はいつもおもしろいので中身を確認せずに読み始めた。もちろんミステリと思って。 そしたらすごい官能小説が始まったのでびっくり。 でもちゃんとしたミステリだった。 編集者からの「…

予想以上によかった

鳳凰の船 (双葉文庫) 作者:浮穴みみ 双葉社 Amazon まったく知らない作家だったが書店で気になって読んでみたら、これがすごくおもしろかった。 北海道を舞台にした時代小説の短編集。 なんともいい話ばかりで、これはいい作家を知ることができた。 おそらく…

読み応え

暁の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ 作者:堀川惠子 講談社 Amazon 戦争時に船舶に関する重要な拠点となった宇品。 その歩みを「船舶の神」と呼ばれた田尻昌次陸軍中将の手記を中心に綴っていく。 この著者の作品は間違いなくおもしろいので、中身もろく…

飛ばしてるなぁ

町中華の丸かじり (丸かじりシリーズ 45) 作者:東海林 さだお 朝日新聞出版 Amazon 相変わらず飛ばしている。 くだらなさの極地。最高。 今回なんか厚くなっている気がする。コロナ禍になる前から収録されているみたいだから、単行本化が滞ったのかしら。 あ…

いいと思う

ボブ・ディラン(新潮新書) 作者:北中正和 新潮社 Amazon 今さらだけどどんなことが書いてあるんだろうと読んでみた。 初心者に向けて書かれたものらしく、これまでの人生を辿ってるのかなと思ったけど、そういうわけではない。 ディランのどこがすごいのか…

青春だなぁ

手のひらの楽園 作者:あや子, 宮木 新潮社 Amazon 青春小説は好きなので、まったく知らない作家だが読んでみた。そしたらかなり青春度高めだった。おじさんにはちょっと青春すぎたかな。 エステティックや看護などの専門学校(高校?)に通う主人公の1年間を…

一度は読んでおきたい

セルバンテス ポケットマスターピース 13 (集英社文庫ヘリテージシリーズ) 作者:ミゲル・デ・セルバンテス・サアベドラ,三倉 康博 集英社 Amazon 『ドン・キホーテ』は死ぬまでに1回は読んでおきたいと思って、抄録ではあるが、この本を読んでみた。 ちゃん…

興味深い

文豪たちの妙な話 : ミステリーアンソロジー (河出文庫) 河出書房新社 Amazon 夏目漱石や森鴎外などの文豪が書いたミステリっぽい短編アンソロジー。 どんな話を書いているのかなと、ただそれだけの理由で読んでみた。 当然いまのようなミステリとは違うだろ…

苦しい

海をあげる 作者:上間陽子 筑摩書房 Amazon 沖縄在住の著者のエッセイ。 若くして子どもを産むことになった女性への聞き取り調査などをしている大学の先生。 エッセイだがそういう関わった女性も出てくる。これがあまりにもつらい。沖縄でもこういう被害はた…

これは酷い

ソ連兵へ差し出された娘たち (集英社単行本) 作者:平井美帆 集英社 Amazon 敗戦後、満州でどのようなことが起きていたか、現在も存命の当事者の方に話を聞いたもの。 これがあまりにもひどく、何度も途中で読めなくなった。 敗戦後に満州人が襲ってくるよう…

難しい

やまゆり園事件 (幻冬舎文庫) 作者:神奈川新聞取材班 幻冬舎 Amazon やまゆり園事件と被害者のその後を追ったドキュメンタリー。 自分も「ひどい」と思いつつも細かいことを知らなかったのは反省点だ。 事件前に犯行声明とも取れる手紙を政府に送っていたの…

いいですねぇ

幽霊塔 作者:江戸川 乱歩 岩波書店 Amazon 関連した芝居を見る前に読んでおこうと思って。 発表当時は衝撃だったろうな。こんなワクワクする展開なんだもん。 今なら様々な小説が氾濫しているからこのくらい普通だけど、二転三転してどうなるのか先がわから…

なんという才能

ちとせ 作者:高野知宙 祥伝社 Amazon 京都文学賞の中高生部門の最優秀賞を取った作品。 作者はなんと17歳だという。 そんな予備知識がなければベテランの作家が書いたとしか思えない。本当にこれを高校生が書いたのだろうか。 病で徐々に目が見えなくなるち…

完璧なエンターテインメント

いとしのヒナゴン (文春文庫 し 38-16) 作者:重松 清 文藝春秋 Amazon 重松清といえばこういうやつですよ! っていうくらい完璧に面白かった。 東京で就職もうまくいかず故郷に帰ってきた主人公の女性。謎の生物・ヒナゴンで有名な田舎だけど、合併騒動で揺…

どうやって死んでいこうか

晴れたら空に骨まいて (講談社文庫) 作者:川内 有緒 講談社 Amazon 死者を弔うために散骨を選んだ5つのケースを綴ったノンフィクション。最後に著者自身の父親の話もある。 死を取り扱っていながら重くはない。むしろ爽快ですらある。 散骨を選ぶくらいだか…

なんかちょっと雰囲気違う

木曜日の子ども (角川文庫) 作者:重松 清 KADOKAWA Amazon 重松清、久々に読んだけど、ダークサイドのやつやね。 この人は家族がテーマになってる小説が多いし、これもそうなんだけど、再婚でいきなり中学生の父親になってしまう男が主人公。あまり経験した…

おもしろいが様子見

いのちがけ 加賀百万石の礎 (講談社文庫) 作者:砂原 浩太朗 講談社 Amazon 『高瀬庄左衛門御留書』が評判になっていたので第1作のこれを。 加賀の前田家を重臣の村井長頼の目から見た物語。 織田信長、豊臣秀吉、徳川家康などが出てくるので、ダイナミックに…

いいなぁ

ベルリンうわの空 ランゲシュランゲ 作者:香山 哲 イースト・プレス Amazon kiss the gamblerのかなふぁんが薦めてたので読んでみた。 著者がベルリンで過ごす生活を描写する。特に何かが起こるわけでもないが、とても心地よい。 これはベルリンがいいところ…