敗戦後、満州でどのようなことが起きていたか、現在も存命の当事者の方に話を聞いたもの。
これがあまりにもひどく、何度も途中で読めなくなった。
敗戦後に満州人が襲ってくるようになり、それをソ連兵が守ってくれた、その見返りに日本人は自分たちの団の中から若い娘を差し出したという。
これはソ連兵によるレイプであり、自分たちを守るために進んで差し出した日本人の男たちの犯罪である。
戦争だから、ということは理由にならない。
おそらくすべての男の中には女性差別の感情があるのだろう。「自分は違う」という男は多分気がついていないだけだ。そういう感情が戦争のような事態に表に出てくるのだと思う。自衛隊の事件等、今でも数限りなくそういう事件があるではないか。
引き揚げ後もこの女性たちは国内で差別を受ける。地獄のような日々だ。
だから語りたがらないのもわかる。
卑怯なのは指示した側の男らも何も語らないことだ。謝りすらしない。
そういう状況でよくこれだけ取材してまとめたと思う。