妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

椎名誠の青春小説

草の記憶 (集英社文庫)

草の記憶 (集英社文庫)

昭和30年代の小学生の日常をスケッチした小説。
まあ椎名誠の得意とするところであり、むかしは僕も大好物だったジャンルだ。
しかしいま読んでみるとそれほどときめかない。
もちろん自分の少年時代と年代が重なっていないので懐かしいということはもともとないが、それでもなんかいいなぁと思って読んでいたのだ。
それが大きな事件が起きるわけでもなく(小学生の日常だから当たり前だが)、日常の細かいところを少年たちが冒険していく、そういうのが胸に来なくなっていた。
多分作者と同年代が読んだら懐かしさに涙が出るのではないかと思う。
大人になって僕の気持ちがこういう小説からずれていったのだろう。残念だが。