妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

お見事!

 

白衣の嘘 (角川文庫)

白衣の嘘 (角川文庫)

 

この人もハズレがない。どれを読んでもおもしろい。とりわけ短編の切れ味の良さ。

すべて病院に関係するミステリ。

医療ミステリは数多いがこれは本当におもしろい。飛び抜けているのではないか。

全部思わず「えっ!?」と声に出して驚いてしまった。

いい話だなぁ

 

 

向田理髪店 (光文社文庫)

向田理髪店 (光文社文庫)

 

 向田理髪店を中心に、この田舎町で起こる数々の騒動を描く。

といっても田舎町なのでたいした騒動ではない。でもいずれもよくある田舎あるあるだろう。身につまされる人は多そうだ。

こういうのを書かせたら重松清奥田英朗だな。もう絶対の信頼。おもしろくないわけがない。

すぐにでもドラマか映画になる。

さてさて

 

橋を渡る (文春文庫)

橋を渡る (文春文庫)

 

 吉田修一は初めて読んだのかもしれない。

様々な人間模様を描くドラマが連作短編のような感じで進む。

それぞれがおもしろく、この人の小説結構いいんじゃない、と思ったが、オビにあった「賛否両論」というほど突飛でもないなと思っていたら、最後、とんでもない方向に話が飛んだ。急にSFになった。

悪くはない。どころか結構おもしろかった。

でもこれ、テレビドラマでこのままやったら「なんだこりゃ」とトンデモ作になるだろうな。

 

文庫版 塗仏の宴 宴の支度 (講談社文庫)

文庫版 塗仏の宴 宴の支度 (講談社文庫)

 

 長い。長すぎる。

それを承知で読んではいるんだけど、長すぎないかこれ。

途中の妖怪に関する講釈が長いんだな、これ。あとモノローグ的な部分も長い。

そこを楽しみにしてる読者がいるんだろうな。

それに予想通り次巻の『宴の始末』とで上下巻の形になってるじゃん。長いにもほどがあるよ!

真相はわからんな

 

肉声 宮?勤 30年目の取調室

肉声 宮?勤 30年目の取調室

 

 宮崎勤の取り調べでの音声を再現、異常者と思われていた殺人犯の本当の姿をあぶり出す。

テレビでの放送を書籍化したらしい。

取り調べの音声が残っていたのも驚きだが、捜査官とのやり取りがドラマみたいで、ドラマもそうそう間違ってないじゃんと変な感心をした。

これを読むと精神異常はあまり感じられないなぁと思う。

自分の犯した犯罪を普通に隠そうとするし、少しでも罪が軽くなるように考えて喋ってるし、異常者というよりは普通の人間だなと。

まあこういう犯罪を犯した人間を普通と呼べるかというとなんか違う気もするが。

フジテレビの番組だそうだが、NHKや新聞社のものと比べると内容が薄い気がする。あっという間に読み終わった。

傑作シリーズ

 

フロスト始末 上 (創元推理文庫)

フロスト始末 上 (創元推理文庫)

 
フロスト始末 下 (創元推理文庫)

フロスト始末 下 (創元推理文庫)

 

 傑作シリーズの『フロスト』も作者が亡くなったことによりこれが最後の作品となった。

最後とはいえ、いささかも衰えることなく、最後の最後までおもしろいのがすごい。

署長に毎回呼ばれて、すぐ無視して出かけるとかいうおもしろ様式美。これがたまらん。いつも誰かに呼ばれてるんだよな、フロスト警部は。

したがってまたほぼ眠っていない。現実世界でこれをやったらすぐ鬱になるか過労死だろう。

読み終わって「とうとう終わりかー」と嘆いていたら解説に「遺族の了承をとって別の作家が前日譚を書いた」との情報が。なるほどその手があったか。さーてこれはいつ読めるのだろうか。楽しみだ。

 

最近読んだ本

 

どれを読んでもおもしろい山本周五郎の短篇。

沢木耕太郎のセレクトがよいのか、つまらないものも他にあるのか、わからないが、ワクワクしながら読んで全然期待ハズレがない。

おそらくたくさん映像化されているだろうから調べてみたい。

 

わたしの宝石 (文春文庫)

わたしの宝石 (文春文庫)

 

これも毎回ハズレなしの鉄板著者。

短編集で読みやすいのがよい。

どれもこれも温かくじんわり涙が出るくらいのいい話ばかり。

これも映像化どんどんされるだろうな。

 

文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)

文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)

 

長い。

消化試合のように次々読んでいるけど本当に長い。

おもしろくないわけではないのに、この長さがイマイチぴんとこない。ここまで長くする必要があるのか。

始まり方と終わり方がうまいと思った。

 

ロゴスの市 (徳間文庫)

ロゴスの市 (徳間文庫)

 

初めて現代ものの乙川作品でいいと思ったかも。

大学時代からの友人だった主人公と女性。それぞれ翻訳家と同時通訳になってからも交流がある。

彼女に惹かれながらも決して交わらない人生と自覚している主人公。もどかしい関係のまま50代まで話は進む。

唐突なラストはちょっとがっかりしたが、それでも途中の2人のもどかしさはおもしろかった。追いかけるのが男だからいいのかも。

翻訳家のことは誰か取材したのだろうか。

現実の小説が出てきたのはおもしろかった。

うーむイマイチかなー

 

涙香迷宮 (講談社文庫)

涙香迷宮 (講談社文庫)

 

 この人の小説は初めて読んだ。

この作品が年末のいろんなランキングで上位に来ていたのを覚えていたからだ。なんだかとてつもなくすごいおもしろそうな雰囲気だったので、文庫で出た時に思わず購入。

黒岩涙香の隠れ家が見つかってそれを調査する一行が現地で遭遇する殺人事件。

暗号ミステリと書かれているだけあって、メインは暗号解読だ。殺人事件は起こるがそれはおまけみたいなもの。

これが私には合わなかった。

暗号が嫌いなわけじゃないが、この作品の暗号問題がすごすぎて、みんなこれを評価しているのだろうけど、ミステリとしてはどうなんだろうというタイプ。

半密室のような状態とはいえ、人が横で死んでいるのに全員で暗号解読に興じるって・・・。

いろは歌はおもしろいがこの暗号はまず解くことは無理だ。

それからこれはシリーズものとして人気があるらしい。の割にキャラが人間味が感じられない。探偵役の囲碁名人の少年も天才であるから暗号を解くこともできるのだが、現実離れしているというか、天才を褒めそやす周囲がうざいというか。