- 作者: 乙川優三郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/12
- メディア: 文庫
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
現代と違い、幕末の混沌とした時代では画家になりたいと思っても簡単になれないし、そもそも目指すことすらかなわないのだろう。ましてや女性であればなおさらである。
主人公のひたすら我慢する生き方にやりきれない思いがした。あらゆるものに縛られて自分の人生を無駄に過ごすことの残酷さ。これがどんなにむごいことか。主人公の義母はそのように生きて死ぬ間際に後悔する。
つらい生活の中で絵に救われ、仲間に救われ、絵の先生に救われ、小さなことがとても幸せに感じた。
自分のやりたいことができているか、そう問いかけられている気がした。