妄想特急 books & music

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おもしろいの一言!

第三の時効横山秀夫 著(集英社文庫
第三の時効 (集英社文庫)
待ちに待った横山秀夫作品の新しい文庫化。なかなか新しいのが出ないからホント待ち遠しいんだ。
で、この『第三の時効』。もう期待通り! 相変わらずのおもしろさ。やっぱりどれを読んでもハズレなしだな。
短篇が6つ入った連作短篇集。本格ミステリと言ってもいいけれど、横山作品といえばやっぱり警察小説という呼び方のほうがふさわしい。F県警捜査一課強行犯係にある3つの“班”の男たちが捜査の中でぶつかりあう様を描いていく。
謎があって最後に解けるという点ではミステリ。でもこの強行犯係の面々の人間関係がすごすぎる。たとえ同じ職場でも油断すると蹴落とされるため、常に緊張状態が続く。自分はとてもじゃないがこんな職場じゃやっていけない。恐ろしすぎる。
この人間関係にこそ横山作品のキモがあるのだ。この男たちのせめぎ合いがおもしろいのだ。
今年は親本の発行年から考えて横山作品の文庫化が続きそうでとてもうれしい。