妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

青春だなぁ

手のひらの楽園 作者:あや子, 宮木 新潮社 Amazon 青春小説は好きなので、まったく知らない作家だが読んでみた。そしたらかなり青春度高めだった。おじさんにはちょっと青春すぎたかな。 エステティックや看護などの専門学校(高校?)に通う主人公の1年間を…

一度は読んでおきたい

セルバンテス ポケットマスターピース 13 (集英社文庫ヘリテージシリーズ) 作者:ミゲル・デ・セルバンテス・サアベドラ,三倉 康博 集英社 Amazon 『ドン・キホーテ』は死ぬまでに1回は読んでおきたいと思って、抄録ではあるが、この本を読んでみた。 ちゃん…

興味深い

文豪たちの妙な話 : ミステリーアンソロジー (河出文庫) 河出書房新社 Amazon 夏目漱石や森鴎外などの文豪が書いたミステリっぽい短編アンソロジー。 どんな話を書いているのかなと、ただそれだけの理由で読んでみた。 当然いまのようなミステリとは違うだろ…

苦しい

海をあげる 作者:上間陽子 筑摩書房 Amazon 沖縄在住の著者のエッセイ。 若くして子どもを産むことになった女性への聞き取り調査などをしている大学の先生。 エッセイだがそういう関わった女性も出てくる。これがあまりにもつらい。沖縄でもこういう被害はた…

これは酷い

ソ連兵へ差し出された娘たち (集英社単行本) 作者:平井美帆 集英社 Amazon 敗戦後、満州でどのようなことが起きていたか、現在も存命の当事者の方に話を聞いたもの。 これがあまりにもひどく、何度も途中で読めなくなった。 敗戦後に満州人が襲ってくるよう…

難しい

やまゆり園事件 (幻冬舎文庫) 作者:神奈川新聞取材班 幻冬舎 Amazon やまゆり園事件と被害者のその後を追ったドキュメンタリー。 自分も「ひどい」と思いつつも細かいことを知らなかったのは反省点だ。 事件前に犯行声明とも取れる手紙を政府に送っていたの…

いいですねぇ

幽霊塔 作者:江戸川 乱歩 岩波書店 Amazon 関連した芝居を見る前に読んでおこうと思って。 発表当時は衝撃だったろうな。こんなワクワクする展開なんだもん。 今なら様々な小説が氾濫しているからこのくらい普通だけど、二転三転してどうなるのか先がわから…

なんという才能

ちとせ 作者:高野知宙 祥伝社 Amazon 京都文学賞の中高生部門の最優秀賞を取った作品。 作者はなんと17歳だという。 そんな予備知識がなければベテランの作家が書いたとしか思えない。本当にこれを高校生が書いたのだろうか。 病で徐々に目が見えなくなるち…

完璧なエンターテインメント

いとしのヒナゴン (文春文庫 し 38-16) 作者:重松 清 文藝春秋 Amazon 重松清といえばこういうやつですよ! っていうくらい完璧に面白かった。 東京で就職もうまくいかず故郷に帰ってきた主人公の女性。謎の生物・ヒナゴンで有名な田舎だけど、合併騒動で揺…

どうやって死んでいこうか

晴れたら空に骨まいて (講談社文庫) 作者:川内 有緒 講談社 Amazon 死者を弔うために散骨を選んだ5つのケースを綴ったノンフィクション。最後に著者自身の父親の話もある。 死を取り扱っていながら重くはない。むしろ爽快ですらある。 散骨を選ぶくらいだか…

なんかちょっと雰囲気違う

木曜日の子ども (角川文庫) 作者:重松 清 KADOKAWA Amazon 重松清、久々に読んだけど、ダークサイドのやつやね。 この人は家族がテーマになってる小説が多いし、これもそうなんだけど、再婚でいきなり中学生の父親になってしまう男が主人公。あまり経験した…

おもしろいが様子見

いのちがけ 加賀百万石の礎 (講談社文庫) 作者:砂原 浩太朗 講談社 Amazon 『高瀬庄左衛門御留書』が評判になっていたので第1作のこれを。 加賀の前田家を重臣の村井長頼の目から見た物語。 織田信長、豊臣秀吉、徳川家康などが出てくるので、ダイナミックに…

いいなぁ

ベルリンうわの空 ランゲシュランゲ 作者:香山 哲 イースト・プレス Amazon kiss the gamblerのかなふぁんが薦めてたので読んでみた。 著者がベルリンで過ごす生活を描写する。特に何かが起こるわけでもないが、とても心地よい。 これはベルリンがいいところ…

すごい老人たちだ

すごいトシヨリ散歩 作者:池内 紀,川本 三郎 毎日新聞出版 Amazon 老人二人の対談集。 と言っても池内さんはドイツ文学者、川本さんは評論家。 たしかにおじいちゃん二人の懐かしい話などが中心だが、いろんな映画やら文学やらがたくさん出てきて、いちいち…

検査してみようかな・・・

ボクもたまにはがんになる 作者:三谷 幸喜 幻冬舎 Amazon 三谷幸喜が前立腺がんになった時のことを主治医の先生と対談した本。 前立腺がんは怖い病気じゃないというのを伝えたくてこの本を出そうと思ったのだという。 たしかにがんの中では前立腺がんという…

意地で読み切った

オン・ザ・ロード (河出文庫) 作者:ジャック・ケルアック Kawadeshobo Shinsha/Tsai Fong Books Amazon うーむ。この有名な小説を死ぬまでに一度は読んでおこうと手に取ったが、これがなかなか進まない。 他の本を読む合間にちょこちょこ読んでやっと読み終…

たしかに奇妙だ

10の奇妙な話 (創元推理文庫 F シ 10-1) 作者:ミック・ジャクソン 東京創元社 Amazon まあ、「奇妙な話」が好きだというのもある。 でもやっぱり外国人と日本人の「奇妙な」という認識には若干違いがあるんじゃないかなとこれを読んで思った。 たしかに奇妙…

興味深い

ポップス歌手の耐えられない軽さ (文春e-book) 作者:桑田 佳祐 文藝春秋 Amazon 週刊文春の連載をまとめたエッセイ集。 日々思うことも書かれているが、興味深いのは自分の過去の話や裏話。ファンとしてはとてもおもしろい。青学の頃の軽音楽サークルでの話…

いいね

ひとんち 澤村伊智短編集 (光文社文庫) 作者:澤村 伊智 光文社 Amazon ホラー小説があまり好きではないがこの人のだけは読んでいる。おもしろいからだ。 連作ではない純粋な短編集は初めてだと思うが、いろんな趣向が読めると思い、ワクワクしながら読んだ。…

きつい話だ

蟻の棲み家(新潮文庫) 作者:望月諒子 新潮社 Amazon 初めて読む作家。書店で見かけておもしろそうと思い読んでみた。 いやぁ、重い話だった・・・。 ミステリだしどんでん返しもあるからおもしろかったけど、社会の底辺に生まれざるを得なかった人間の辛い…

笑った

大学の常識は、世間の非常識 (祥伝社新書) 作者:塚崎 公義 祥伝社 Amazon 仕事柄、大学教授とやり取りすることが多く、変わった人が多いなぁと常々感じてきた。なんでこんな変わった人ばかりいるんだろうと不思議に思ってたところに、この本を書店で発見。そ…

おもしろい作家を見つけた

嫁の遺言 (集英社文庫) 作者:加藤 元 集英社 Amazon 書店の店頭であらすじを読んでおもしろそうだと思い読んでみたらこれが正解!とてもおもしろい短編集だった。 著者は自分とほぼ同年代、名前の印象と違って女性! 短編は切れ味が勝負だと思っている。別に…

そこそこかな

罪の余白 (角川文庫) 作者:芦沢 央 KADOKAWA Amazon 他で読んだ短編がおもしろかったのでデビュー作を。 確かに新人離れした作品だと思うが、やっぱり若干拙い感じもする。 ストーリーはおもしろかった。あっという間に読み終わった。 しかしまあ辛い話だっ…

やっぱりこのシリーズだな

遠巷説百物語 「巷説百物語」シリーズ (角川書店単行本) 作者:京極 夏彦 KADOKAWA Amazon 巷説百物語シリーズの最新作を読んだ。京極の中でいちばん好きなシリーズだ。 どうやって展開させるのかと思ったら、登場人物をそっくり入れ替えて同じ趣向でと来た。…

おもしろかった

デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場 (集英社学芸単行本) 作者:河野啓 集英社 Amazon 彼のことはあまりよく知らず、賞賛と批判があったことだけ知っていた。いろんな経緯を知れるかなと思って読んでみた。 結局、彼は自分の中でどんどん肥大化していく虚…

つらい話よ

昨日がなければ明日もない (文春文庫 み 17-15) 作者:宮部 みゆき 文藝春秋 Amazon 杉村三郎シリーズ第5弾。 中篇が3つ。1話目と3話目がかなり辛い話だった。 このシリーズは結構気持ちがどんよりしてくる重い話が多い気がする。 人間の毒の部分をさらけ出…

でもこれが難しい

「空気」を読んでも従わない: 生き苦しさからラクになる (岩波ジュニア新書) 作者:尚史, 鴻上 岩波書店 Amazon 人間関係に苦しんでいる中高生に向けた本。 大人が読んでも参考にはなると思う。 「世間」と「社会」という考え方はしたことなかった。外国人が…

読みにくい

そして夜は甦る 作者:原 りょう 早川書房 Amazon 有名なこのシリーズを最初から読んでみようと思って手に取った。 実は直木賞を取った2作目の『私が殺した少女』は読んだことがあったがもう内容とか印象は忘れている。 ハードボイルド小説でとても雰囲気のあ…

これも難しい

invert 城塚翡翠倒叙集 作者:相沢沙呼 講談社 Amazon 城塚翡翠シリーズ2作目。 前作であんな大技をやってしまったので、あれ以上の驚きはないだろうと、でもちょっと期待して読んだ。 サブタイトルも「霊媒探偵」が使えないので「倒叙集」と。作中、…

貴重な証言

筒美京平の記憶 ミュージック・マガジン Amazon 筒美京平の人生の歩みと、その時代の筒美作曲の重要曲の紹介、様々な関係者のインタビューから成り立っている超力作。 特にインタビューはすごい。かなりの人数行っていて、そのどれもが関係者だけあって話が…