妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

執念

そして陰謀が教授を潰した ~青山学院春木教授事件 四十五年目の真実~ (小学館文庫) 作者:早瀬圭一 小学館 Amazon 大学受験で青山学院大学も受けたことがあるが、その時でもこんな事件は風化していたと思う。まったく知らなかった。 そして今に至るまで聞い…

高校野球

あの夏の正解(新潮文庫) 作者:早見和真 新潮社 Amazon 2020年夏、高校野球がコロナで中止になったとき、当の高校生(選手たち)や監督はどういう思いでいたのか。 星稜高校と済美高校という強豪二校に取材したドキュメンタリー。 特に3年生は甲子園という…

ファン向けかな

人間じゃない 〈完全版〉 (講談社文庫) 作者:綾辻行人 講談社 Amazon 単行本未収録の短編を集めた本。 なんかちょっと変則的な短編が多くて、ここから綾辻に入るのではなく、ファン向けのような感じだ。 内容もそこまでおもしろいわけでもない。 最後のやつ…

ほのぼのする

オーディオ小僧のアナログ放浪記 (CDジャーナルムック) 作者:牧野良幸 株式会社シーディージャーナル Amazon 趣味のアナログ(オーディオ)生活をエッセイと漫画で綴ったもの。 僕より結構年上みたいで本業は版画家らしい。だからアナログ盤を買ったりとかは…

なんだか胸が熱くなる

急に具合が悪くなる 作者:宮野真生子,磯野真穂 晶文社 Amazon 再読。 昔読んだ時は哲学者と人類学者の命をかけた言葉のやりとりに胸が熱くなった記憶があって、でも内容は難しくてあまり理解できない部分が多かった。 しばらく置いて再読したらどうかなと思…

『キャプテン』読み直そうかな

ちばあきおを憶えていますか 昭和と漫画と千葉家の物語 作者:千葉 一郎 集英社 Amazon 漫画家ちばあきおのご子息でちばあきおプロダクションの社長でもある著者が、様々な関係者に話を聞きつつちばあきおの人生を追う。 やはり息子が著者だからか、錚々たる…

いいね、おもしろかった

九尾の猫〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者:エラリイ クイーン 早川書房 Amazon もうちょっとエラリイ・クイーンを読んでみようと思って、これを選んだ。 確かにおもしろかった。 相変わらず翻訳の文章は苦手なんだけど、それさえ我慢すればこういう…

なかなかおもしろかった

韓国カルチャー 隣人の素顔と現在 (集英社新書) 作者:伊東順子 集英社 Amazon 韓国の独特な文化をドラマを通じて教えてくれる本書。 韓国ドラマには興味がないが、韓国の文化には興味があったので読んでみた。 日本だって外国から見たら「変わった国だなぁ」…

すごく大変な問題

アスリート盗撮 (ちくま新書) 作者:共同通信社運動部 筑摩書房 Amazon アスリートの盗撮問題を取材した共同通信社の記事とその取材経緯を綴った本。 アスリートの盗撮は何十年も前からあったらしいが、本人から声がなかなかあげられず、これまで問題として大…

安定の

殺しへのライン ホーソーン&ホロヴィッツ・シリーズ (創元推理文庫) 作者:アンソニー・ホロヴィッツ 東京創元社 Amazon このシリーズ3作め。 ある島が舞台になり、より本格っぽくなった。こういう始まり方はワクワクするなぁ。 安定のおもしろさ。 このコン…

なんじゃこれは?

破局 (河出文庫) 作者:遠野遥 河出書房新社 Amazon 芥川賞を取った作品。 主人公の考え方は一見常識的なんだけど、なんなんだろう、この不気味な印象は。何に対しても生きている人間という感じがしない。 青春小説のようでもあり、そんなに大きな出来事は起…

これもつらい

ある奴隷少女に起こった出来事 (新潮文庫) 作者:ジェイコブズ,ハリエット・アン 新潮社 Amazon 奴隷制度の時代に自分に起きたことを書いた、フィクションではなく、現実にあった話だ。 知識では知っていても奴隷だった少女が実際に書いたものを読むと、胸が…

つらい

コンジュジ (集英社文庫) 作者:木崎みつ子 集英社 Amazon これも知らない著者だったが書店であらすじを読んでおもしろそうだったので。 父親から性虐待を受けている子どもが、自己防衛のためにロックスターとの妄想世界に逃げ込む。 今や誰もが陥るかもしれ…

すばらしい

鯨の岬 (集英社文庫) 作者:河﨑 秋子 集英社 Amazon 全然知らない作家だが書店で見かけておもしろそうだったので。 中篇が2篇入っている。どちらもすばらしかった。 著者は北海道出身らしい。2編とも舞台は北海道。現代ものと時代もの。 淡々と進む話かと思…

難しくてモヤモヤする

ルポ 死刑 法務省がひた隠す極刑のリアル (幻冬舎新書) 作者:佐藤大介 幻冬舎 Amazon 死刑に賛成か反対か。法学部の学生だった30年以上前からどちらにも入ることができず、ずっとモヤモヤを抱えている。 この本は死刑がどのように行われているか、証言などを…

古典もいいね

フォックス家の殺人〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者:エラリイ クイーン 早川書房 Amazon ミステリの古典であるこんなのも読んでみた。 新訳で出てたので良い機会かなと思って。 やはり長く読まれ続けるのはそれなりに理由があるね。おもしろかった…

自分で店をやっていくって大変

新聞記者、本屋になる (光文社新書) 作者:落合 博 光文社 Amazon 新聞記者だった著者が書店を開く話。 この書店は一度行ったことがある。おしゃれだなあと思ったけれどたしか買わなかったと思う。 しかし、店を開くって大変だなぁと思った。58歳で始めるって…

初めて読んだ

父の声 (文春文庫) 作者:小杉 健治 文藝春秋 Amazon 名前は聞いたことがあったが初めて読んでみた。 調べたら結構なベテランだった。そういえば昔から書店で名前を見かけるもんな。 覚醒剤にかかわるミステリだ。 なかなかおもしろかったんだけど、話の展開…

なかなかおもしろかった

みどり町の怪人 (光文社文庫 あ 72-1) 作者:彩坂美月 光文社 Amazon これもまったく知らなかった著者だったが、なんとなくおもしろそうだったので読んでみた。 結果、当たりだった。とてもおもしろかった。 みどり町には「みどり町の怪人」が潜んでいて、女…

なるほど

一九八四年 (ハヤカワepi文庫) 作者:ジョージ・オーウェル,高橋 和久 早川書房 Amazon 死ぬまでに一度は読んでおこうシリーズ。 あらすじすらほぼ知らなかった。この歳で初読。 名作と言われているがおもしろいのか?こういう発想は今でこそ数多あるが、この…

なんかグッタリするな

さよなら、野口健(集英社インターナショナル) 作者:小林元喜 集英社 Amazon 野口健と栗城史多は昔から胡散臭いと感じていた。元マネージャーが書いたのならば野口健がどういう人間か少しでもわかるかなと思い読んでみた。 タイトルからして批判的な内容だ…

ワクワクするなあ

怪談小説という名の小説怪談 作者:澤村伊智 新潮社 Amazon ホラー短編集。でもホラーというよりやっぱり「怪談」の方が似合うような気がする。単なるイメージだけど。 タイトルはよくわからないけど、どの短編も「どうなるんだろう?」とワクワクが止められ…

こういうふうに仕事がしたい

恐竜まみれ―発掘現場は今日も命がけ―(新潮文庫) 作者:小林快次 新潮社 Amazon 恐竜研究者の著者が普段の仕事の様子などを書いてくれる、とても興味深い本。 当然発掘がメインになるのだろうとはわかっていたが、これは本当に大変だ。やっぱり好きじゃなき…

びっくり

真実はベッドの中に (双葉文庫) 作者:石持 浅海 双葉社 Amazon この作者はいつもおもしろいので中身を確認せずに読み始めた。もちろんミステリと思って。 そしたらすごい官能小説が始まったのでびっくり。 でもちゃんとしたミステリだった。 編集者からの「…

予想以上によかった

鳳凰の船 (双葉文庫) 作者:浮穴みみ 双葉社 Amazon まったく知らない作家だったが書店で気になって読んでみたら、これがすごくおもしろかった。 北海道を舞台にした時代小説の短編集。 なんともいい話ばかりで、これはいい作家を知ることができた。 おそらく…

読み応え

暁の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ 作者:堀川惠子 講談社 Amazon 戦争時に船舶に関する重要な拠点となった宇品。 その歩みを「船舶の神」と呼ばれた田尻昌次陸軍中将の手記を中心に綴っていく。 この著者の作品は間違いなくおもしろいので、中身もろく…

飛ばしてるなぁ

町中華の丸かじり (丸かじりシリーズ 45) 作者:東海林 さだお 朝日新聞出版 Amazon 相変わらず飛ばしている。 くだらなさの極地。最高。 今回なんか厚くなっている気がする。コロナ禍になる前から収録されているみたいだから、単行本化が滞ったのかしら。 あ…

いいと思う

ボブ・ディラン(新潮新書) 作者:北中正和 新潮社 Amazon 今さらだけどどんなことが書いてあるんだろうと読んでみた。 初心者に向けて書かれたものらしく、これまでの人生を辿ってるのかなと思ったけど、そういうわけではない。 ディランのどこがすごいのか…

青春だなぁ

手のひらの楽園 作者:あや子, 宮木 新潮社 Amazon 青春小説は好きなので、まったく知らない作家だが読んでみた。そしたらかなり青春度高めだった。おじさんにはちょっと青春すぎたかな。 エステティックや看護などの専門学校(高校?)に通う主人公の1年間を…

一度は読んでおきたい

セルバンテス ポケットマスターピース 13 (集英社文庫ヘリテージシリーズ) 作者:ミゲル・デ・セルバンテス・サアベドラ,三倉 康博 集英社 Amazon 『ドン・キホーテ』は死ぬまでに1回は読んでおきたいと思って、抄録ではあるが、この本を読んでみた。 ちゃん…