妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

吉村昭『逃亡』

新装版 逃亡 (文春文庫)

新装版 逃亡 (文春文庫)

吉村昭は腰をすえて読まないといけないイメージだが、薄かったこともあり、気軽に読めそうだったので手に取った。
戦時中のある事件をきっかけに軍から逃亡することになった主人公。その逃亡劇を丁寧に描く。
これが結構スリル満点で、最後まであっという間だった。
戦時中なので、今ほど様々な出来事にぶち当たるわけではない。でも戦争という異常状態の中での逃亡はどんなことでも起こりそうで怖かった。
主人公の逃亡を通して戦争の不条理さすら見えてくる。