妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

昔ばなしでもおもしろい

東京の下町 (文春文庫)

東京の下町 (文春文庫)

著者がこどもの頃住んでいた日暮里を中心に昭和初期の東京はどうだったのか、思い出話が綴られている。
いま自分が住んでいるところと近かったので読んでみたが、単なる昔ばなしなんだけど、さすが吉村昭、とてもおもしろい。
やはり今とは全然違う東京の様子が興味深い。これらの時代と現代が地続きであるということが不思議なくらいだ。
今から5,60年未来が現在とこれだけ違って見えるかと言ったらそうではない気がする。それだけこの時代の変化が著しかったということか。
こういうエッセイは資料としても重要なものである。新装版ということで復刊みたいなもんだと思うが、いい仕事だ。