妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

おもしろかった

女たちの避難所 (新潮文庫)

女たちの避難所 (新潮文庫)

東日本大震災で避難所に逃れてきた女性3人を主人公に、避難所での様々な問題を描く。
避難所ではいろんなことが問題になっていたことは何となく知っていたが、小説にすることでリアルに感じることができた。
逆にインタビューとかルポなんかではなかなか表面に出てこないのではないか。創作であるからこそみんなの声をすくい上げることができると思う。
そう考えるとこれも立派な震災の記録資料となる。戦争文学があるのだから震災文学があってもいい。こういうことがあったのだと未来の人たちに伝える役目を果たしていると思う。
また、作劇としてもうまくできている。というよりもオーソドックスな展開と言っていい。
主人公に降りかかる様々な災難(避難所でのこと)がこれでもかと続くと、読んでいるうちにイライラしてくるというか、怒りが湧いてくる。周りの人間が本当にクズばっかりなのだ。
それがピークに達したところで、爆発的に展開させることでカタルシスを得られる。
難しいかもしれないがテレビドラマにすると共感する人が多そうだなぁ。