12/24、渋谷のパルコ劇場で三谷幸喜 作・演出の『12人の優しい日本人』を見た。
東京サンシャインボーイズ時代から僕が日本でいちばん面白い芝居を書くと思っていた劇作家・三谷幸喜。ここ数年は人気がすごくてチケットが取れず、もう何年も見ていなかった。やっと取れた席は前から4列目のベストポジション! かなりうれしい。
この作品は元々劇団時代のもので、映画化もされたから見た人も多いだろう。僕も映画で初めて見た。そのときは陪審員制度が日本にあるわけもなく、1957年のアメリカ映画『十二人の怒れる男』の舞台を日本にして作ったんだなと思った。それがもうすぐ日本にも裁判員制度が導入されるというのだから時代の流れってもんはおもしろいですなぁ。つまり再演のタイミングとしてはバッチリなわけだ。
大まかな話の筋はほとんど変わっていない。したがってまったくまっさらで見るのと較べると少し衝撃は薄れる。この芝居を予備知識なしでいきなり観る人がうらやましい。
爆笑する場面が次から次へと出てきて、推理小説のような「この事件の真相は?」という謎解きの楽しみもあり、議論下手な日本人の滑稽さも身に沁みて、最後はしんみりしてしまう。本当によく出来たコメディーだ。三谷幸喜の出世作と言われているが、そりゃ出世もするわ。こんなんやったら。
あとキャストがハンパじゃなくすごい。全部並べてみましょうか。江口洋介、石田ゆり子、筒井道隆、鈴木砂羽、生瀬勝久、小日向文世、山寺宏一、浅野和之、温水洋一、堀部圭亮、伊藤正之、堀内敬子。どうだっ。って僕が威張ることないんだけど。この12人が誰一人途中舞台から抜けることなく2時間出ずっぱり。これはすごい。
久々に見た舞台の三谷作品、大満足だった。次は初めて歌舞伎を書き下ろすそうだ。チケットはまた争奪戦だろうなぁ。