妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

スチームボーイ

大友克洋監督が9年をかけて完成させた話題のアニメ映画『スチームボーイ』を見てきた。
『アキラ』もろくに見たことがなく、大友フリークでもない僕がこの映画を見に行こうと思った理由はただひとつ。“男の子がワクワクするストーリー”であるという情報だけである。
しかし、見終わってまずすごいと思ったのは、絵の緻密さ。フルデジタルで制作されたこの画面は圧巻だ。この細かさはハリウッドには作れまい。
スチームボールという発明品をめぐるストーリーなだけに、画面には絶えず蒸気が白い湯気となって現れる。これもアニメーションとしてはかなり大変な作業だったに違いない。
もちろんストーリーも良かった。135分の上映時間があっという間だった。最初から最後までノンストップといっていいほどのスピード感。まさしくジェットコースタームービーだ。“男の子”だけじゃなく“大の大人”でもワクワクするストーリーなのである。
ハリウッド映画を観て、こんなの日本じゃ作れないや、とため息をつくのと同じように、アメリカがこの映画を観て、これはアメリカじゃ作れないな、と思うんじゃないだろうか。そうだとすれば何だか誇らしい気分にもなってくる。