作者は全然知らなかったが、このミス6位などの宣伝文句に釣られて読んだ。
東大のミス研出身の25歳だそうである。
いわゆる「館」ものであり、吹雪の山荘ものであり、ド本格だろうとアタリをつけていたが、まあトリックなどはそのとおりで悪くはなかった。
しかし、致命的なのは文章が下手というか、誰が言ったセリフかわからないことが多々あったことか。人物の口調が一定でないからかな。相手によって口調を変えることは人間あるだろうが、それでももっとわかりやすくするのがプロだろう。
あとキャラクターの造形が突拍子なさすぎる。2人の探偵が「探偵の生き方」に関する言い合いをするが、高校生とOLだよ?そんな人いる?
女性なのに完全に男の喋り方をさせるキャラもややこしいだけで、意味がない。
若さゆえなのか、文章が虚飾的で大げさにすぎる。もっとシンプルにした方がいいのではないか。
トリックのアイデアは派手でいいので、(あるのかどうか知らないが)映画・ドラマのプロットライターみたいなことをやるといいと思う。