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言葉が出ない

教誨師 (講談社文庫)

教誨師 (講談社文庫)

刑の執行までの間、死刑囚と何度も話をする教誨師。ある一人の教誨師から聞いたその経験を元に、教誨師とはどういうものなのか、どういうことをするのかを紹介する。
守秘義務を盾にこれまでこういうインタビューがなされたことはほぼないらしい。
だから実態はあまり知られていないが、刑の執行前に牧師やお坊さんなどと話をするというのは聞いたことがあった。でも何度も長い間こうやって面談をするというのは知らなかった。
教誨師は大変な仕事だし、思い悩むこともたくさんあるだろうし、死刑というのはいろんな人を巻き込んでいくんだなと重い気持ちになった。
死刑制度を考える上でこの本は非常に重要な示唆を与えてくれると思う。
死刑は国の制度であっても人を殺すことには違いない。