妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

永山事件

死刑の基準 「永山裁判」が遺したもの (講談社文庫)

死刑の基準 「永山裁判」が遺したもの (講談社文庫)

永山則夫 封印された鑑定記録 (講談社文庫)

永山則夫 封印された鑑定記録 (講談社文庫)

非常に読み応えのある永山事件に関する2冊。この2冊を執筆した著者は相当の執念であったろう。
永山則夫の名前は法学部で「永山基準」として出てきた時に知った。しかし「永山基準」の名前だけでそこから深く知ろうとはしなかった。
それだけの興味でこの2冊を読んだが、すごい力作で、頭の中が混沌としている。
事件の内容もよくわかったし、死刑に至るまでの経緯もわかった。
でもどうすればよかったのか、これからの日本の司法、特に死刑についてどう考えていけばよいのかはさらにわからなくなった。
幸いにして裁判員の経験は僕にはない。今後もし当たったとしたら、それが死刑判決もありうる事件だとしたら。
世論や遺族の気持ちに飲み込まれずに冷静な判断ができるかどうか自信がない。