この人の小説は初めて読んだ。
この作品が年末のいろんなランキングで上位に来ていたのを覚えていたからだ。なんだかとてつもなくすごいおもしろそうな雰囲気だったので、文庫で出た時に思わず購入。
黒岩涙香の隠れ家が見つかってそれを調査する一行が現地で遭遇する殺人事件。
暗号ミステリと書かれているだけあって、メインは暗号解読だ。殺人事件は起こるがそれはおまけみたいなもの。
これが私には合わなかった。
暗号が嫌いなわけじゃないが、この作品の暗号問題がすごすぎて、みんなこれを評価しているのだろうけど、ミステリとしてはどうなんだろうというタイプ。
半密室のような状態とはいえ、人が横で死んでいるのに全員で暗号解読に興じるって・・・。
いろは歌はおもしろいがこの暗号はまず解くことは無理だ。
それからこれはシリーズものとして人気があるらしい。の割にキャラが人間味が感じられない。探偵役の囲碁名人の少年も天才であるから暗号を解くこともできるのだが、現実離れしているというか、天才を褒めそやす周囲がうざいというか。