- 作者: 貴志祐介
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/08/03
- メディア: 文庫
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映画化もされたが小説で読みたいと思っていたから映画は見ていない。
貴志祐介の筆力が並外れているのは世間的にも周知のとおりである。この小説も上下巻の長いものなのにもかかわらず、あっという間に読めてしまう。本当におもしろい。
題材は(特に後半)殺人シーンが延々続くという、まあ、人を選ぶものである。
サイコキラーものはよくあるが、こんなエグいものをなぜ書くのだという人もいると思う。読んで教訓を得るでもなく、感動するでもなく、役に立つでもなく。
でもこれを読んでなぜか気持ちいいと思ってしまうというのは、自分の心にそういう闇の部分があるからだろう。そしておそらくほとんどの人間にはそういう気持ちがあると思う。
蓮見教諭には感情移入できなくても次々殺していくのはなんか爽快。共感するのはやはり殺される側だろう。でもなぜか爽快。
不思議だけどこれが売れているのはそういう感情を持つ人が多いからだと思う。