妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

作品としてすばらしい

重松清がさまざまなジャンルの人たちにインタビューしたのをまとめたもの。重松は小説家以外にもいろんな本を出しているし、インタビューもたくさんしているし、作家になる前はライターとして無署名で書いていたらしいので、こういうのも朝飯前なのだと思う。
でも読んでみたらインタビュー集というより、重松清の文学作品としてすばらしいと思った。
2人の会話だけでなく、地の文で表現されることの文学的なこと、それが会話部分をより引き立てる。
これでひとつの作品となっている。
重松清がファンである人に会っているのだから当然だろうが、その人の作品などをしっかりと体に染み込ませた状態で会いに行っている。プロインタビュアーの吉田豪などもそうだが、こういうことはインタビューの基本であると思う。しかしそれができているインタビュアーはあまりいないのかもしれない。
つまりそれは質問が的確になるし、相手が気持ちよく話せる。この気持ちよく話せることがインタビューのキモなのだろう。
重松清にはこういうインタビュー集をもっと出してもらいたい。