困りましたなぁ

我々の恋愛

間違い電話から始まる恋愛を不思議な形式で見せる小説。
おもしろいかおもしろくないかと言ったらおもしろくなかった。気持ちが乗らないので読み進めるのが面倒になった。
この恋愛自体は大して驚きもない普通の話だし、主人公の職場である遊園地での話もいまいちおもしろくない。
それにこの論文発表形式が特に効果的になっているとは思えないところが厳しい。
彼女が最後の方で二重人格っぽいことになっていたのがわかるが、そこでひょっとしてそれまでの物語がアクロバット的にひっくり返るのではと思い、わくわくしたが、そんなことはなかった。
実際に会っても見ることができないとか、彼女はじつは実在しないのではと思うじゃないか。
それに長い。いくらなんでも長過ぎる。
いとうせいこうで面白いと思ったのは今のところ『想像ラジオ』だけなので、これはもう自分とは合わないのかもしれないな。