妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

泣いた泣いた

せんせい。 (新潮文庫)

せんせい。 (新潮文庫)

これは「先生と生徒」がテーマの重松清の短編集だ。またこの「先生と生徒」っていうのが、泣ける話の宝庫なんだよな。案の定この作品集も涙なしには読めない傑作だった。
誰でも一度は先生と呼ばれる人の生徒だったわけだから、読めば何かしらの感情は出てくるはずだ。
「泣くな赤鬼」という短編がやばかった。こういう話は泣かそうと思って書かれているから、斜に構えて読んでしまうんだけど、それでも外で読んでいて思わず涙が出そうだった。
テーマ選択もそうだけど、文章がとてもいい。あざとくなくこんな話を書けるのはすごい。どんどん自分に入ってくる気がする。