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凄まじい記録

死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発 (角川文庫)

死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発 (角川文庫)

東日本大震災の時、福島第一原発の中はどうなっていたか、吉田昌郎所長をはじめたくさんの関係者の証言でその様子を再現していく。
たしかに東京電力に怒りはあるけれども、そこで働いていた人たちに直接的な罪はない。
それはわかっていたがこれを読むと本当にすごいことになっていたのがわかって、すごく辛かった。
だって仕事をしていて死を覚悟したことがある?
危険な仕事は多々あるが突発的な事故で命を落とすことはあっても、このままでは死ぬと思って覚悟を決めるということがあるなんて。
これは震災の原発事故の貴重な記録として永遠に残していかなくてはならない本である。
ここから学ぶことはたくさんある。
吉田所長が亡くなったのはやっぱり極度のストレスが遠因にある気がしてならない。