妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

うーん、この・・・

タイトルに惹かれて読んでみた。
『呪い』というのは『ウィー・アー・ザ・ワールド』に関わったアーティストはその後急激に人気を失い低迷しているというものだ。
近年復活している人もいるが軒並み失速しているのを見つけて書きたくなってしまったのだろう。
僕もその理由が知りたくて読んでみたが、これが対して分析できていない。期待はずれだった。
ディランやスプリングスティーンのように失速という感じではない人もいる。
失速しているのもこの楽曲に何かがあるのではなく、時代の移り変わりと考えられることが多く、目の付け所はおもしろいにしても「呪い」とは大げさな気がする。
結局あれだけ大きなプロジェクトに参加して善人イメージが付いてしまい、それを払拭できなかったというのが「呪い」の正体と言っているようだ。本当だろうか。
それに致命的なのは前半をポップスやロックの歴史をたどることにページを費やし、なかなか『ウィー・アー・ザ・ワールド』にたどり着かないことだ。こういうことをまったく知らない人ならいいと思うが、そういう人はそもそもこの本を手に取らない。この構成がガッカリ感を増幅している。
それに集合写真に2人いないという発見は「だから何なんだ」という類の話である。
いろんなところで残念な本だった。