妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

胸が苦しい

カシオペアの丘で 上 (講談社文庫)

カシオペアの丘で 上 (講談社文庫)

カシオペアの丘で 下 (講談社文庫)
子どもの頃の親友4人組が大人になってから再会する。それぞれの人生を生きてたどり着いた故郷。
本当に読んでる最中ずっと胸が苦しかった。何度も深呼吸をした。辛い話であるし、あたたかい話でもある。人は人を許し人に許されて生きている。そんなことがよくわかった。
人の死を扱った話は辛いものになるのは当然だ。でもそれだけではただのお涙頂戴の「泣ける」だけの話になってしまう。
これは4人の仲間に様々な要素が絡んでくる。相当複雑な話だ。
それをこれだけさらっとわかりやすく感動的に書くというのは、重松清だからできたと言わざるを得ない。
これを傑作と呼ばずしてどこに傑作があるのか。