沢木耕太郎の編んだアンソロジー

右か、左か―心に残る物語 日本文学秀作選 (文春文庫)

沢木耕太郎が選んだ短編アンソロジー。テーマを「右か、左か」として、人生の岐路が出てくるものを集めてある。
いつもながらにアンソロジーは楽しい。普段読まない作家の作品がたくさん読めるからだ。
この中で印象に残ったのは山本周五郎の「その木戸を通って」。時代小説だが現代もののような話だ。このまま舞台を現代にしても全然いける。不思議な話だし切ない話だ。
芥川龍之介の「魔術」もとてもいい。こんな不思議な短編を芥川が書いてたのは知らなかった。すばらしい。
阿佐田哲也の「黄金の腕」。この緊張感がたまらない。麻雀はやらないがそれでもおもしろい。
江戸川乱歩の「人間椅子」は有名な短編だが、最後まで読んだことがなかった。トリッキーな終わり方に驚いた。
これからもいろんなアンソロジーを読んでみたい。