- 作者: 北村薫
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/08/21
- メディア: 文庫
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最近、宮部みゆきが選者の怖い外国短編のアンソロジーを読んだばかりだったのでちょっとタイムリー。
北村薫だから文章はとてもやさしくて繊細だ。言葉を丁寧に丹念に積み重ねていくイメージでひとつの短編を作り上げていく。
で、ラストまで静かに終えるけど、最後の最後でぞわっとくる感じ。
どの短編も秀逸だ。巻頭に妊娠中の方は読まない方がいいと書かれた「腹中の恐怖」は本当に怖い。よくこんな話を考えたもんだ。
「三つ、惚れられ」も「よいしょ、よいしょ」も「ざくろ」もよかった。
繊細な恐怖ってあからさまな恐怖よりも怖い場合がある。