妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

名エッセイ

 

再読。

向田邦子はそれほどたくさん読んでいるわけでもないが、このエッセイ集だけは昔から好きでずっと取ってある。

久しぶりに読んでみた。

1編にいくつもの話が数珠つなぎに出てくる。そのどれもが面白いエピソードで、よくもまあこれだけ面白い話があるもんだと感心する。

記憶力がとてつもなくいいから、昔の話が手にとるようにリアルに出てくる。

話があっちこっち行っているようで、最後には1つのテーマに沿った話だったことがわかると、うますぎて唸ってしまう。

これが初エッセイ集だというのだから恐ろしい。

解説に沢木耕太郎が書いているが、沢木の『チェーン・スモーキング』というエッセイ集は向田邦子を意識していると思う。

僕は記憶力が弱いので読んでもすぐ忘れる。また何年後かに再読しようと思う。