再読。
向田邦子はそれほどたくさん読んでいるわけでもないが、このエッセイ集だけは昔から好きでずっと取ってある。
久しぶりに読んでみた。
1編にいくつもの話が数珠つなぎに出てくる。そのどれもが面白いエピソードで、よくもまあこれだけ面白い話があるもんだと感心する。
記憶力がとてつもなくいいから、昔の話が手にとるようにリアルに出てくる。
話があっちこっち行っているようで、最後には1つのテーマに沿った話だったことがわかると、うますぎて唸ってしまう。
これが初エッセイ集だというのだから恐ろしい。
解説に沢木耕太郎が書いているが、沢木の『チェーン・スモーキング』というエッセイ集は向田邦子を意識していると思う。
僕は記憶力が弱いので読んでもすぐ忘れる。また何年後かに再読しようと思う。