妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

ホルモー

ホルモー六景 (角川文庫)

ホルモー六景 (角川文庫)

鴨川ホルモー」の続編。というよりはスピンオフだ。
ホルモーという荒唐無稽な妄想があるから奇抜に見えるが、元々「鴨川〜」も青春小説の傑作であった。これもなかなかうまい青春短編小説集である。
前作は大学生活を懐かしく思い出した。今作は大学だけでなく様々なシチュエーションだからバリエーションが出ておもしろくなった。
「もっちゃん」にはやられた。なるほどこうきたか、と思わずにやける。
「長持の恋」はよくある設定ながらうまい。じんわりあったまる話だ。
ホルモーの新たな長編は難しいだろうが、こういう短編集はもっと書いてほしい。この奇想天外な設定を2冊だけにするのは惜しい。