妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

岡嶋二人です

ダブル・プロット (講談社文庫)

ダブル・プロット (講談社文庫)

岡嶋二人の『記録された殺人』に単行本未収録短編を3編加えて出しなおしたもの。『記録された殺人』は多分読んだことがあるだろうが、なにせ岡嶋二人にはまっていたのははるか昔のこと、まったく覚えていない。完全に新刊の気分で読めた。
とはいえ、ここに収録されている短編はほとんど80年代半ばに書かれたもの。その時代の空気を嫌でもまとってしまうのは仕方ない。したがって若干古臭い感じがする。
しかも岡嶋二人自身がデビューしてそれほど経っていないので、トリックのための小説のようで、あまりうまさを感じられない。まあこれが若いということで、貴重なのかもしれない。
イデアは若いだけあって様々なパターンを繰り出していて、すばらしい。