妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

ナミダナミダ

その日のまえに (文春文庫)

その日のまえに (文春文庫)

愛する人との死別をテーマにした短編集。
もうダメです。これは。泣く以外どうすればいいんだろうか。
こういうテーマをこのように丁寧に描けるというのはやはり才能だろう。
著者自身が同じ体験をしてはいないと思うが、それでもここまで書けるのはすごい。
最後でちょっとした仕掛けがあるけど、そこはおまけ。
やはり表題作「その日のまえに」がたまらない。自分がこんなことになったらどうするだろう。耐えられない。
自分自身と自分の愛する人を考えてしまう小説です。