妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

湊かなえの『告白』

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

映画を見る前にと思って読みました。
とてもいい! まったく救いの無い結末。ストレートな復讐。ねじくれた性格に育ってしまった中学生によるねじくれた復讐。
ひとつ思ったのは、これを書くのはとても気持ちいいだろうなということ。自分の好きなように復讐を考えることができる。これは物語の上とはいえ、相当気持ちいいと思う。復讐する相手の言い分を書くのは嫌かもしれないけど。でもここでも純粋ゆえに捻じ曲がった性格にできあがった子供の気持ちの悪い言い分を、好き勝手に書くことができる。
まあ作家というのはそういうものかもしれないけどね。
読者はこの女教師に自分を重ねて、容赦ない復讐にカタルシスを覚えることができる。そこにこの本が売れた原因があるんじゃないのかな。だって僕はこの結末、相当気持ちよかったもの。
でもこれを映像に置き換えるのは難しかっただろうなぁ。早く映画が見てみたい。