『暗黒館の殺人(上・下)』 綾辻行人 著(講談社ノベルス)
いやあ長かった! でも読み終わったぞー!
“館シリーズ”最新作の今回はかなり幻想的なというか、雰囲気のある傑作だった。
本格ミステリの象徴的な、いかにもなシチュエーションと登場人物。
「これこれ。これじゃなきゃ本格じゃないよな」と思わず笑みがこぼれる。
読み進めているときは「えっ? 今回はこんなもん?」というのと「いやいや、まさかこんなもんで終わるわけがないだろ?」という思いが、交互に頭の中を飛び交い、綾辻作品が大好きな僕としては、つまらなかったらどうしようと怯えてたのだ。
ところがやっぱりやってくれました。読み終わって驚愕。のち、にんまり。
未読の方のために詳しくは言えないが、最後は驚きの連続だった。
よくトリックを見破って得意になってる人がいるが、僕は根が素直なのか、こういうのには気持ち良〜く騙されます。でも本格ミステリは騙された方がうれしいに決まってる!!
これ単独で読んでももちろんおもしろいが、“館シリーズ”を最初から読んでるとさらに楽しめます。