妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

キャパの写真をもっと見たい

キャパへの追走

キャパへの追走

キャパの撮った写真と同じところに行って、同じアングルから現在を撮るとどうなるかをやった本。ただのおもしろ企画ではなく、そこは沢木耕太郎、すばらしい旅行記になっている。
前作『キャパの十字架』でキャパの人生をなぞり、「崩れ落ちる兵士」の謎に迫った。その続編というわけではない。しかし前作を読んでいたからこそ、ここに取り上げられている数々の写真が胸に迫る。
キャパの人生にずっと寄り添いながら読んできたからか、どの写真も見ると切なくなってくる。
しかしこれは『深夜特急』の沢木耕太郎だけに旅行記としてすばらしい。テーマが決まっているから大した事件が起こるわけではないが、どうなるのかなとワクワクしてくる場面がある。