妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

これは心のHEIANなのか!?

東京都写真美術館に初めて行ってきた。見たものは『HEIAN 戸田正寿作品展』。もちろん彼女の趣味。
戸田正寿なる人をまったく知らなかったが、写真美術館でやってるってことは写真家だろうなという想像だけはつく。たったそれだけの情報で見に行ったのだ。そんで感想。「何でもありだな」。
戸田正寿さんがめちゃくちゃやってるという意味じゃない。ひとつのコンセプトに基づいて撮っているし、端正な雰囲気を持つ写真ばかりだ。
ただ、その撮っている素材が只者ではないのである。白木で作った入れ物の中に白い鯉が浮かんでいる。入れ物の大きさはその鯉がぴったり入るくらい。また別の作品では、同じく白木にちっちゃな隙間があってそこにらんちゅう(金魚)がおさまっている。あるいは4つの木箱に烏が3羽ぴったりとおさまっている。
もうすべて“おさまっている”のだ。木の箱に、隙間に、上に、間に、いろんな生き物がおさまっている。「なにやってんだよー(笑)」と言うしかないではないか。
戸田さんが何を言いたくてこういった写真を撮ったのかわからないが、せっせと木材で箱を作り、魚をそっと入れ、長時間かけて撮影をやってる、それを想像しただけで笑える。
いろんなことやる人がいるもんだなー。そしてそれを評価する人もいるもんだなー。おまけにそれを見に来る人もいるもんなんですね、これが。