妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

『エレファント』

エレファント デラックス版 [DVD]
劇場で見ようと思っていて結局見れなかった『エレファント』をレンタルして見た。
アメリカのコロンバイン高校で起きた銃撃事件をモチーフに映画化された、ガス・ヴァン・サント監督の傑作。と言われている。
というのも、僕はそれほど面白いと思わなかったのだ。「面白い」と言っては語弊があるが、「傑作!」と手放しで賞賛する気にはなれなかった。
銃撃事件のその惨劇シーンも出てくるには出てくるが、全体的に叙情的というか繊細な感じの映像とストーリー展開だった。
高校時代誰もが感じる学校における閉塞感。青春時代の爆発寸前のモヤモヤを胸に秘めているときの鬱屈感。そういったものはよく出ている。しかし、銃撃事件の動機が「いじめ」ってかなりはっきり書かれているのはどうだろう。監督は「動機をはっきり提示しない」って言ってるけど、してるじゃん。
見終わった後、結構重苦しい気持ちになる。傑作ではないが秀作であるのは確か。