北極圏の極夜を旅する探検記。
旅すると言ってもぜんぜん生易しいものではない。20日間くらい太陽が昇らない闇の世界で、月の明かりだけが頼り。気温もマイナス30度を下回る。それを自分一人だけで(犬1匹とともに)行くっていう、考えただけで気が狂いそうになる旅だ。
もうなんでこんなことをわざわざするんだろうという、何度も疑問に思ったことをまたもや思ったが、闇が明けて太陽を見たとき自分はどんなことを思うのか、それを確かめる旅らしい。
こうやって書いてくれるから、私たちは北極圏に行かなくても疑似体験できるわけで、その点はありがたいけど。
何度も(本当に)死にそうになりながら、途中笑ってしまう表現が出てくる。ツアンポーの時とは芸風が変わったのかな。
しかし、『空白の五マイル』が衝撃的すぎてその後の作品が弱く感じてきたが、本人も言っているように、本当の意味での探検作品第2弾ができたなと思った。