妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

目の見えない人は

目の見えない人はどのように世界を見ているのか、を具体例から解き明かす本。
書店で見ておもしろそうだと思い読んでみた。
自分も近眼だから裸眼ではっきり見られたらそれはいいなぁと常々思っている。もちろん見えない・見づらい人とは比べられないが、視力の大事さは子供の頃から感じているつもりだ。
さだまさしの『解夏』などを読んで失明をすることが五感の中でいちばん恐怖を感じていた。「目が見えなくなったらどうしようか」とか「聴こえなくなる方がつらいか」とか。
でもこれを読んだらそれが少し和らいだ。
自分たちが「目の見える世界」の住人で、見えない人は「見えない世界」の住人であると考える。見えない人はどのように過ごしているのか、見えないから見える人よりもいいことは何か。そういったことを考えるようになった。
実際ここに出てくる全盲の方はどなたも明るい。見えない人の美術鑑賞のやり方(それも絵画!)とかサッカーのやり方とか、いろんな工夫をして楽しんでいる。
著者の意図とは違うかもしれないが、将来目が見えなくなってもそれほど悲観する必要はないと勇気づけられた。