- 作者: 松田美智子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/11/10
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (2件) を見る
私が意識したとき三船敏郎はすでに亡くなっていて、亡くなった時の報道すらまったく覚えていない。
だから黒澤明の映画を見るようになってから、三船敏郎のすごさを知った。伝説の映画スターとして。
しかし三船敏郎は渡辺謙が足元にも及ばないほどの世界的な映画スターだったのだと驚く。世界の映画監督から出演オファーがひっきりなしに来るのもすごい。それに応じて堂々と演じるこの肝っ玉の座り加減がまたすごい。
この本を読んで三船の性格が繊細でいつも他人に気を使う人だったのを知った。誰に対しても別け隔てなく気を使う。スターになってもそれは変わらず、そういう性格だったから酒乱のエピソードや離婚裁判などの醜聞を引き起こしてしまうのがよくわかる。
こういう人は社長には向いていないと思う。つくづく一俳優でやってくれていたらもっといろんな役が見られたのだろうと思うと残念でならない。