妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

こんな悲劇があったんだ

永訣の朝 (河出文庫)

永訣の朝 (河出文庫)

終戦直後の樺太ソ連軍の攻撃に遭い、やむなく自ら命を落とした電話交換手の若き女性9人。
まずこれが8月20日という終戦の直後であったことに驚く。
天皇玉音放送があっても当然そこでスッパリ終わるわけではない。樺太ではソ連軍が攻めてきていた。
最後まで職場を守ろうとしていた女性9人はもう駄目だと青酸カリを飲んで亡くなっていく。
もちろん生き残った人も少数だし、その人がすべてを見ているわけでもないし、実際なにが起こったかなんてわかるわけがない。
しかしこれほどの悲劇が終戦後に起こっていたとは戦争の怖さを思い知る。