妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

やはり時代小説の方がいい

逍遥の季節 (新潮文庫)

逍遥の季節 (新潮文庫)

江戸時代、さまざまな芸事に生きた女性を主人公にした短篇集。
やはり乙川優三郎は時代小説の方がいい。現代が舞台の小説だと彼の描く人間がなじまないからではないだろうか。
いろんな芸事が出てくるが、この時代のこういう芸事を仕事にして生きている人たちというのは、現代のアーティストとくらべてどのくらいの違いがあるのだろうか。
サラリーマンがいない時代だから、こういう職人のような人たちも現代のアーティストとはまた違う印象がある。
生きていくのはどんな人でも大変だ。その中で自分の信じる芸事を持つ彼らは幸せでもある。そこに救われる思いだ。