- 作者: 一橋文哉
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/04/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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事件もののルポが好きでよく読む。早い話が野次馬的な興味なのだが、実際に起きた事件だということが緊張感を与えてくれるので好きなのだ。
創作の小説でいくら怖い殺人事件を描いても「恐怖感」とか「嫌悪感」のようなものはほとんど感じない。
この事件もあまりに凄惨すぎて現実とは思えない。でもこれが現実に起きたことなのだから驚く。
本文にも書いてあったが、事件の概要が北九州連続監禁殺人事件と非常に似ている。この事件のルポも読んだ(『消された一家−北九州・連続監禁殺人事件』)。
事件の事細かな描写は『消された一家』の方が生々しく、読了後あまりの嫌悪感に気持ち悪くなってしまったくらいだった。
それにくらべればまだソフトだけど、本書の事件も「人間てどれだけ残酷になれるのだろうか」と考え込んでしまうような内容だ。
しかも中心人物が謎の自殺を遂げているところがさらに不可解さを増幅させている。
おそらく文庫化された際には増補版として加筆されるのは間違いない。