妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

断捨離の正反対にあるもの

蔵書の苦しみ (光文社新書)

蔵書の苦しみ (光文社新書)

本好きにとって蔵書を持つことは喜びでもあり苦しみでもあるということを、自分の体験や古い文献に当たったり、蔵書家に取材したりして書いた面白本。
僕も独身時代は次から次へと本を買ってどんどん部屋にたまっていった。その名残でいまも積読本が百冊以上家にある。
読めもしない量の本をどうして買うのか。ま、一種のコレクターなんだろうな。買うこと自体がうれしいのだ。
僕は古本をそんなに買わないのでよかったが、古本屋を回る趣味を持っていたら大変なことになっていたろう。新刊書ばかりを買っても家に本が溢れる羽鳥書店の社長さんみたいな人もいるけど。
僕も参加したその羽鳥書店の社長さんの蔵書を売る‘一人古本市’「羽鳥書店まつり」のことも書いてあった。舞台裏を読むとかなり大変だったのがよくわかる。あのイベントは1万冊販売したのかー。
タイトルが「蔵書の苦しみ」だけど、本人は多分苦しいとは思っていない。
本好きは共感しながら楽しめるし、本好きでない人は笑いながらこの本好きの人たちの心理を楽しめると思う。