妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

便利なアンソロジー

夢野久作の「瓶詰地獄」を読むために適当に選んで図書館で借りたのだが、これが有名な作家ばかりが入っていてとてもお徳だった。
中学生までに読んでおきたい、と題されているのでふりがなは随所にふられているし、語句の解説も逐一丁寧にされている。
「瓶詰地獄」は構成がとてもうまい。他の短編も読んでみたいと思わせる巧みさだ。
特におもしろくて怖いと思ったのは、中島敦「牛人」、坂口安吾桜の森の満開の下」、菊池寛「三浦右衛門の最後」、志賀直哉「剃刀」、太宰治トカトントン」あたりかな。
全部初めて読んだが、特に太宰の「トカトントン」は読んでみたいと思っていたのでよかった。これは軽く書かれているけど本当に怖い話だ。
中学生の時にこんな本を読んでみたかったな。