妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

キャラメル2本立て

19日にキャラメルボックスの芝居を見てきた。「ハーフタイムシアター」というもので1時間の短編芝居だ。今回は2本立てで、交互に上演している(!)から2本続けて見ることもできる。キャラメルもサービス精神旺盛なすごいことをやりますな。
で、19日は平日。会社を休んで(ズル休みともいう)行ってきましたよ。14:00〜15:00まで1本目、15:00から1時間空いて16:00〜17:00が2本目。2本見ても17:00には劇場を出られるのがいいでしょ?
両方とも梶尾真治の短篇集『クロノス・ジョウンターの伝説』が原作。ちょっと前にキャラメルは『クロノス』という同じ原作から2時間の芝居をやっている。今回のは同じ小説の中の違う短篇だ。
クロノス・ジョウンターというタイムマシンをめぐる切ない純愛物語である。タイムトラベルものって、以前にも書いたが、僕はとても弱い。弱いってのはとても惹かれるということだ。大好きなのだ、タイムトラベルが。いや、タイムトラベルを題材にした物語が。
『あしたあなたあいたい』はすでに壊されている建物を写真に収めたいと願う主人公がクロノスで過去に戻るが、そこである女性と恋に落ちてしまう話。しかし一定時間が過ぎると未来に弾き飛ばされてしまう。それも元の時間じゃなく、もっと何十年も先の未来へ。
『ミス・ダンデライオン。少女の頃、入院していた病院で仲良くなった同じく入院患者の青年がいた。幼い初恋だったが、青年は不治の病で亡くなってしまう。嘆き悲しむ少女。大人になって少女は医師になる。医学の進歩でようやくその病の治療薬が開発されると、彼女はクロノスを使って青年を助けに過去へ行く。しかしやはり助けたはいいものの自分は数十年先の未来へ弾き飛ばされるのだ。
この過去へ戻ったあとに何十年もの未来へ弾き飛ばされるという一種の「副作用」みたいな設定がこの純愛の切なさに拍車をかける。うまい設定だなと思った。
ストーリーはもうホントに泣けます。切なさ爆発で。ただやはり1時間の芝居にするとどこか駆け足の感じがしてしまって残念だった。逆にいえばそれだけ1本が内容の濃いストーリーなわけだ。両方とも2時間の芝居にしたってじゅうぶんいける。
梶尾真治の原作はまだ読んでいないので一度読んでみたい。