妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

こいつはかなりいいぞ

ラッシュライフ伊坂幸太郎 著 (新潮文庫
ラッシュライフ (新潮文庫)
伊坂幸太郎はもうすでに人気を確立している。なんだか彗星のように現れて一気にスターになったような気もするが、僕と同じ年齢というところがうらやましくもあり感心もする。
以前に3作品を読んでいる。『オーデュボンの祈り』『陽気なギャングが地球を回す』『アヒルと鴨のコインロッカー』である。『ラッシュライフ』は今までいちばんいい。クサい台詞が控えめなのがいい。村上春樹ばりの会話文がどうにも鼻について仕方がなかったのだが、この作品は物語の展開に神経を注いだのか、さらっと読めた。
まぁ、半分くらいまで読んでも何の話だかさっぱりわからず、いったいこの話はどうやって終わるのだろうと眉間にしわを寄せながら読み続けた。
しかし今までの謎がカチカチと音を立ててあるべきところにはまっていくような感じのラストのカタルシスは最高だ。
こんな仕掛けの映画はけっこうあるが、小説でやられるとまた別の気持ちよさがある。
こういうのを書く小説家の頭の中ってどうなっているんだろうな。