妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

落語に行こう

5月7日(土)に林家正蔵の落語を聞きに行った。もちろん皆さんご存知の「林家こぶ平 改め 九代目 林家正蔵」ですよ。
襲名披露を兼ねた“特選落語名人会”というものだ。場所は東京厚生年金会館の大ホール。
落語は以前に何度か聞きに行ったことがある。寄席ではなくこういう大ホール。東京厚生年金会館もずっと前に桂歌丸を見に来たことがあるので、勝手はわかっている。しかし久しぶりも久しぶり。けっこうドキドキして会場に向かった。
落語熱は冷め気味だったんだけど、彼女が見てみたいと言うし、この正蔵襲名やらドラマ『タイガー&ドラゴン』やらで近頃何かと話題になっているしで、んじゃいっちょ行ってみるかということにあいなりやした。
客層は想像通りおじちゃんおばちゃんばっかり。これは歌丸の時もそれ以外の時も散々経験しているからひるむことはない。それでもちらほら若い人の姿も見えたのは林家正蔵だからだろうか。
幕が上がると後ろの壁ほぼ一面に掲げられているのはでっかい垂れ幕(っていうの? なんか言い方があるのかもしれん)。真ん中に“壽”と大きい一文字、その左右にマンガチックな七福神の似顔絵、に並んで正蔵の似顔絵。左下には「所ジョージ」。そう、この幕は所ジョージからの贈りものだった。
出てくるのは正蔵だけではない。トップバッターは林家いっ平。正蔵の弟だ。この人の落語も初めて聴く。加藤清正ら武将がお茶をやる噺だったが、あとで調べたが何というネタかわからなかった。うーん、もしかして古典じゃないのかも。噺自体はなかなかおもしろかった。
次は春風亭小朝正蔵の義理の兄に当たる。こちらはもうベテラン。安心して聞ける。カラオケ大好きなおじいちゃんとその葬式の噺。流れ的に歌うだろうとは思ってたが、かなりの曲数マイク出してまで歌ってた。ぶっ飛んだ噺だ。
お次は林家木久蔵正蔵とは親族ではないが、先代の林家正蔵のお弟子さんということで出演してるそうだ。噺はネタというよりその師匠である八代目 正蔵のことをおもしろおかしく喋っていた。
翁家勝丸という人が傘で玉を回したりする曲芸(太神楽というらしい)をひとしきりやったあと、林家正蔵が登場。噺は『四段目』。お使いに出された定吉が途中で忠臣蔵の芝居を見に行ってしまい帰りが遅くなってしまう。お仕置きとして蔵に閉じ込められるが、芝居好きの定吉忠臣蔵の芝居を真似て演じ、空腹を紛らわせる。・・・
古典なのでサゲ(オチのこと)は調べればすぐわかります。
いや、これが想像以上に良かった! 最近テレビに出なくなったと思ったらちゃんと落語やってんだなぁ。襲名という話も出るってもんだ。
これは俄然彼を追いかけたくなってきた。古典を中心にやっているというのも気に入った。東京で見れるときはなるべく見てみよう。時間とお金の許す限り追いかけてみるのもいいんじゃないだろうか。
これを読んでくれた人も一度でいいから落語を聞きに行ってはいかが? 流行でもいいんです、行ってみることが大事。